「定年ゴジラ/重松清」を読んだ
ずーっと読んでる重松清さん。なんとなくほっこりしたくて、世田谷中央図書館で借りて読んでみた「定年ゴジラ」(講談社文庫)について。
こんなあらすじ。開発から30年、年老いたニュータウン「くぬぎ台」で迎えた定年退職。決まってやることは散歩くらいしかない。途方に暮れる元・大手銀行マン"山崎さん"(60歳)に散歩仲間ができた。先輩の町内会長で元・辣腕広告マンの"古葉さん"(67歳)、長年の単身赴任で家で浦島太郎状態の"野村さん"(62歳)、このニュータウンの開発を担当した"藤田さん"(60歳)。家庭の中で自分の居場所を見つけるまで定年仲間4人組の日々...。
これ、第二次世界大戦の敗戦からこの日本を支えてきて、いっせいに定年という長い休暇を迎え始めた男たちの話。重松さんは自分とほぼ同世代で、この登場人物たちもまさに自分の親父たちと同世代。先月父親を亡くしたが、離れて暮らしていたこともあり、父親がどんな気持ちでどのような定年以降の生活をしていたかと思うと、やはり身につまされる。表紙のオヤジたちの背中の絵も味がある。
父親のことを思ったり、自分の将来のことを考えながら、自分はなにを残せるんだろうと思った1冊だった。
cf. 重松清 読破 List
- 舞姫通信 (1995)
- 見張り塔からずっと (1995)
- ナイフ (1997)
- 定年ゴジラ (1998)
- カカシの夏休み (2000)
- ビタミンF (2000)
- リビング (2000)
- 口笛吹いて (2001)
- 流星ワゴン (2002)
- きよしこ (2002)
- 熱球 (2002)
- 疾走 (2003)
- 送り火 (2003)
- 卒業 (2004)
- いとしのヒナゴン (2004)
- みんなのなやみ (2004)
- その日のまえに (2005)
- きみの友だち (2005)
- 小学五年生 (2007)
- カシオペアの丘で (2007)
- くちぶえ番長 (2007)
- 青い鳥 (2007)
- ブルーベリー (2008)
- せんせい。 (2008)
- みぞれ (2008)
- とんび (2008)
- 季節風 冬 (2008)
- あの歌がきこえる (2009)
- 再会 (2009)
- 十字架 (2009)
- ポニーテール (2011)
- ロング・ロング・アゴー <「再会」改題> (2012)
- 星のかけら (2013)
- みんなのうた (2013)
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