「聖の青春/大崎善生」を読んだ
ほとんどの小説を読み尽してしまった大崎善生さんの作品。唯一読んでいなかった「聖の青春」(講談社文庫)を世田谷中央図書館を借りて読んでみた。
これ、難病と闘いながら29年の短い生涯を生き抜いた天才棋士"村山聖(さとし)"を描いたノンフィクションな伝記。幼くしてネフローゼを患い、重い腎臓病を抱え、名人になる夢を抱えつつ、将棋界の最高峰A級に在籍したままの亡くなった彼の人生が描かれているんだけど、ともかく純粋。家族の絆、師匠との絆、広島、大阪、東京とライバル達との友情がともかく暖かい。考えてることややってることは幼いし、シンプルだし、まわりの人を巻き込んでも、ぜんぜん嫌われないし、疎ましく思われない村山聖の性格と行動がうらやましい。
哀しいけど素敵な人生だったと思います。読んでよかった。
cf. 大崎善生 読破 List
- 聖の青春 (2000)
- 将棋の子 (2001)
- パイロットフィッシュ (2001)
- アジアンタムブルー (2002)
- 九月の四分の一 (2003)
- ドナウよ、静かに流れよ (2003)
- ロックンロール (2003)
- 孤独か、それに等しいもの (2004)
- 別れの後の静かな午後 (2004)
- ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶 (2005)
- 優しい子よ (2006)
- タペストリーホワイト (2006)
- 傘の自由化は可能か (2006)
- スワンソング (2007)
- ディスカスの飼い方 (2009)
- 存在という名のダンス (2010)
- Railway Stories (2010)
- ランプコントロール (2010)
- ユーラシアの双子 (2010)
- 西の果てまで、シベリア鉄道で -ユーラシア大陸横断旅行記 (2012)
- エンプティスター (2012)
- 赦す人 (2012)
- 孤独の森 <「存在という名のダンス」改題> (2012)
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