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Wednesday, October 29, 2014

「海の向こうで戦争が始まる/村上龍」を読んだ

Ryumurakami_uminomuko もう30年近く読み続けてる村上龍さん。大学生の頃読んだ「海の向こうで戦争が始まる」(講談社文庫)を、部屋の本棚から見つけ出し、ひっさびさにもう一度読んでみた。
 こんなあらすじ。ある日浜辺で絵を描いていた僕は水着を着たフィニーという不思議な女性に出会った。彼女は僕に「あなたの目に町が映っているわ。その町は海の向こうにあって、その町は巨大なゴミに埋もれ、基地を持ち、少年たちを力強く育てる」という。「そして今、その町では盛大な祭が開かれている」という...。
 これ、デビュー作「限りなく透明に近いブルー」に続く第2作。映画のワンシーンのようにエピソードがつなぎ合わされていき、1つ1つの話がジワジワと暑苦しく、ヌルヌルとべたつきつつ、殺意にあふれていく。そして最後には町の祝祭が血みどろの戦争に展開していく。どこか蜃気楼のような心象風景が破壊や戦争に集約していく様子を冷静にどこか淡々とした目線で俯瞰する感じがいい。その後たくさんの村上龍作品を読んできたけど、この作品ほど静かでドロドロした小説はなかったと思う。稀有な作品だと思いました。

cf. 村上龍 読破 List
- 限りなく透明に近いブルー (1976)
- 海の向こうで戦争が始まる (1977)
- コインロッカー・ベイビーズ (1980)
- 走れ!タカハシ (1986)
- 69 sixty nine (1987)
- 愛と幻想のファシズム (1987)
- 超電導ナイトクラブ (1991)
- 長崎オランダ村 (1992)
- 昭和歌謡大全集 (1994)
- 五分後の世界 (1994)
- 村上龍映画小説集 (1995)
- ヒュウガ・ウイルス~五分後の世界II (1996)
- ストレンジ・デイズ (1997)
- イン ザ・ミソスープ (1997)
- 共生虫 (2000)
- 希望の国のエクソダス (2000)
- 2days 4girls (2002)
- 半島を出よ (2005)
- 空港にて (2005)
- 盾 Shield (2006)
- 美しい時間/小池真理子・村上龍 (2006)
- 案外、買い物好き (2007)
- 歌うクジラ (2010)
- 逃げる中高年、欲望のない若者たち (2010)
- 心はあなたのもとに (2011)
- 櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている (2012)
- 55歳からのハローライフ (2012)
- 自由とは、選び取ること (2013)
- 賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。 (2013)

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