「仇敵/池井戸潤」を読んだ
今年集中的に読んでいる作家のひとり池井戸潤さん。三茶のTsutayaで買って読んでみた「仇敵」(講談社文庫)について。
こんなあらすじ。かつてメガバンクで優秀なエリート企画次長だった"恋窪商太郎"は、その銀行幹部の裏金工作を追及したために、いわれのない罪を着せられ辞職させられてしまう。その後、恋窪は地方銀行の庶務行員となったが、出世競争にのっていた頃には味わえなかった人生の豊かさを知った。その銀行で若手融資担当行員の"松木"に慕われた恋窪は、何かと相談を受けていく中、徐々に前職で暴こうとした事件の核心に近づいていく...。
これ、私腹を肥やすためならば殺人もいとわない銀行の巨悪な"仇敵"に対して、濡れ衣を着せられ社会的地位を失っても不屈の精神で立ち向かっていく男を描いた8つからなる連作ミステリー。仇敵の結末などはあっさりしていてちょっと物足りない部分があったものの、元銀行マンの池井戸潤さんらしい銀行を舞台にした勧善懲悪鉄板王道なストーリー。まさに職を追われた庶務行員の倍返しな小説だった。なんだかんだで引き込まれました。
cf. 池井戸潤 読破 List
- 架空通貨 (2003)
- 仇敵 (2003)
- 株価暴落 (2004)
- 銀行仕置人 (2005)
- 鉄の骨 (2009)
- 民王 (2010)
- 下町ロケット (2010)
- 新装版 不祥事 (2011)
- かばん屋の相続 (2011)
- ルーズヴェルト・ゲーム (2012)
- ようこそ、わが家へ (2013)
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