「骸の爪/道尾秀介」を読んだ
ここ2年集中的に読んでる道尾秀介さん。三茶Tsutayaで買って読んでみた「骸の爪」(幻冬舎文庫)について。
こんなあらすじ。ホラー作家の"道尾"は、取材のために滋賀県山中にある仏像の工房「瑞祥房」を訪ねた。道尾がその夜に見たものは、口を開けて笑う千手観音と闇の中で血を流す仏像、しかも翌日には工房の仏師が一人消えていた。"道尾"は、霊現象探求家の"真備"と真備の助手"凛"の3人で、瑞祥房を再訪しその謎を探る。工房の誰もが口を閉ざす20年前の事件とはいったいなんなのか...。
これ、ホラー作家の道尾秀介と霊現象探求所を構える真備庄介のホラーシリーズ「真備シリーズ」の第2作目。同音異義語を使った言葉遊びも面白く、緻密な伏線回収の見事さが読んでいて気持ちいいんだけど、内容的には「瑞祥房」に携わる人々の勘違いや思い違いによるちょっとした判断や思い込みが悲劇を起こしてしまうという物語になっていた。そのラスト自体も悲しく、どこか釈然としない終わり方だった。
それにしてものこの「真備シリーズ」、この第2作「骸の爪」、第3作「花と流れ星」と読んできたけど、肝心の第1作「背の眼」は未読状態。おいおい読んでおこうと思います。
cf. 道尾秀介 読破 List
- 向日葵の咲かない夏 (2005)
- 骸の爪 (2006)
- シャドウ (2006)
- 片眼の猿 -One-eyed monkeys- (2007)
- ソロモンの犬 (2007)
- ラットマン (2008)
- カラスの親指 by rule of CROW'S thumb (2008)
- 鬼の跫音 (2009)
- 龍神の雨 (2009)
- 花と流れ星 (2009)
- 球体の蛇 (2009)
- 光媒の花 (2010)
- 月の恋人-Moon Lovers- (2010)
- 月と蟹 (2010)
- カササギたちの四季 (2011)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 水の柩 (2011)
- 光 (2012)
- ノエル-a story of stories- (2012)
- 笑うハーレキン (2013)
- 鏡の花 (2013)
- 貘の檻 (2014)
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