2014年を振り返る●Readings編●
2014年を振り返りつづけてる。続いては、去年も読みまくった"Readings編"を。
で、2014年もそれなりに、本を読んだと思う。特に5ヶ月間の湘南勤務の際、往復4時間の通勤時間を使って結構読んでいた。それらを含め、雑誌や漫画やパンフ・ガイドブックなどを含めて、なんだかんだで119冊を1年間で読んだ。内訳は小説が77冊、それ以外が42冊。特に小説は1週間に1冊以上は読んでいたという感じ。去年も世田谷中央図書館にもよく通ったと思う。
2013年から意識的に吉田修一と道尾秀介を読み込んでいるけど、加えて去年は池井戸潤と百田尚樹を集中的に読んだ感じ。
・池井戸潤:「株価暴落」、「架空通貨」、「銀行仕置人」、「新装版 不祥事」、「ルーズヴェルト・ゲーム」、「かばん屋の相続」、「仇敵」の7冊。
・百田尚樹:『「黄金のバンタム」を破った男』」、「海賊とよばれた男」、「幸福な生活」、「夢を売る男」、「プリズム」の5冊。
今年もこの4人は完読までぼちぼち読んでいきたいと思う。
で、雑誌などについては、相変わらずのrockin'onとROCKIN'ON JAPANをひたすら読んだ。もう高校生の頃から30年以上も続いてる習慣だ。ただ毎年思うことだけど、ビジネス書を一切読んでいないのは、いい歳こいてまずいと思う新年の今日この頃です。
では、2014年に読んだ本の中で、個人的に特にひっかかった5冊を挙げてみる。
まず1冊目は相場英雄さんの「共震」。東日本大震災で起きた殺人事件を追うミステリーの体をしつつも、実態は震災後の現実を克明に描いたルポタージュな作品。義捐金の行方やボランティア、震災詐欺...自分の私腹を肥やそうとする復興利権に群がるシロアリ達の実態を追っていきつつ、殺害のトリックや容疑者を完全自供させるミステリーとしても引き込まれた。震災にあった人々に対して「せめて寄り添ってください」という作者の気持ちがヒシヒシと伝わってました。
2冊目は百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」。出光興産創業者の"出光佐三"をモデルにした国岡鐡造を主人公にし、石油メジャーの支配を受けない日本を代表する石油会社を作り上げた立役者の伝記ともいえるノンフィクション小説。巨大国際石油資本メジャーたちや日本政府との攻防などを通して、国のために尽くすこと、人を信じるということが物凄い文量と筆力で描かれていた。自分の中に愛国心を感じるのはサッカーやオリンピックくらいかと思っていたけど、この本を読んで日本という国のことをあらためて考えた1冊でした。
3冊目は誉田哲也さんの「ケモノの城」。実際に北九州で起きた消された一家、殺し合う家族をベースにした小説。監禁、虐待、洗脳...生々しいグロい表現に何度も目を背けたし、読むのをやめようかと思った本。臨場感たっぷりに狂気の世界を感じ、精神的にコントロールされていく過程にぐったりとしながら、最後まで救いがないままで読み終えてしまった。ほんと衝撃受けました。
4冊目は天童荒太さんの「悼む人」。全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける"悼む人"と、彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのそれぞれの人生がからむ長編小説。悼まれること=ずっと覚えてもらえることっていいなと思いました。天童荒太さんの「家族狩り」とか「永遠の仔」とかも今年読んでみたい。
そして5冊目は貴志祐介さんの「黒い家」。保険金殺人をテーマにしたサイコホラー。人の痛みや犠牲を厭わない冷酷さと残忍さ、事故を偽装する場面の果てしない悪意、家族の腕を切断するなど目を背けたくなる惨殺シーンなど、恐ろしいながらもイッキに引き込まれてしまった。陰湿で悪臭が伝わってくる不気味な世界観、身近に潜んでいそうな悪意と恐怖、いやー完全にハマってしまいました。
というわけで最後に、2014年に読んだ小説とか雑誌とかを順に書いてみます。
●Novels
・共震/相場英雄
・死神の浮力/伊坂幸太郎
・夢幻花/東野圭吾
・カササギたちの四季/道尾秀介
・儚い羊たちの祝宴/米澤穂信
・「黄金のバンタム」を破った男/百田尚樹
・賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。/村上龍
・空の冒険/吉田修一
・夏のレプリカ Replaceable Summer/森博嗣
・鏡の花/道尾秀介
・患者よ、がんと闘うな/近藤誠
・雀蜂/貴志祐介
・株価暴落/池井戸潤
・長崎乱楽坂/吉田修一
・みんなのうた/重松清
・大人のための文章道場/樋口裕一
・追想五断章/米澤穂信
・ケーフェイ/佐山聡
・「余命3カ月」のウソ/近藤誠
・架空通貨/池井戸潤
・Qrosの女/誉田哲也
・銀行仕置人/池井戸潤
・海賊とよばれた男(上)/百田尚樹
・海賊とよばれた男(下)/百田尚樹
・捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest/森博嗣
・勝俣グルメノート/勝俣州和
・そして二人だけになった Until Death Do Us Part/森博嗣
・疾風ロンド/東野圭吾
・熱帯魚/吉田修一
・カッコウの卵は誰のもの/東野圭吾
・トラップ/相場英雄
・真夜中の五分前-five minutes to tomorrow side-A-/本多孝好
・真夜中の五分前-five minutes to tomorrow side-B-/本多孝好
・新装版 不祥事/池井戸潤
・海外ブラックロード 危険度倍増版/嵐よういち
・孤独の森/大崎善生
・首折り男のための協奏曲/伊坂幸太郎
・甘い復讐/樋口毅宏
・幸福な生活/百田尚樹
・エリーゼのために 忌野清志郎詩集/忌野清志郎
・タモリ論/樋口毅宏
・ルーズヴェルト・ゲーム/池井戸潤
・怒り <上>/吉田修一
・怒り <下>/吉田修一
・1Q84 BOOK1 <4月-6月> 前編/村上春樹
・1Q84 BOOK1 <4月-6月> 後編/村上春樹
・1Q84 BOOK2 <7月-9月> 前編/村上春樹
・1Q84 BOOK2 <7月-9月> 後編/村上春樹
・1Q84 BOOK3 <10月-12月> 前編/村上春樹
・1Q84 BOOK3 <10月-12月> 後編/村上春樹
・そして生活はつづく/星野源
・水の柩/道尾秀介
・もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎夏海
・分身/東野圭吾
・聖の青春/大崎善生
・テロルのすべて/樋口毅宏
・六番目の小夜子/恩田陸
・夢を売る男/百田尚樹
・定年ゴジラ/重松清
・ケモノの城/誉田哲也
・貘の檻/道尾秀介
・昭和の犬-Perspective kid-/姫野カオルコ
・村上海賊の娘 <上巻>/和田竜
・村上海賊の娘 <下巻>/和田竜
・かばん屋の相続/池井戸潤
・龍神の雨/道尾秀介
・海の向こうで戦争が始まる/村上龍
・きみの町で/重松清・ミロコマチコ
・仇敵/池井戸潤
・悼む人 <上>/天童荒太
・悼む人 <下>/天童荒太
・プリズム/百田尚樹
・骸の爪/道尾秀介
・白ゆき姫殺人事件/湊かなえ
・黒い羽/誉田哲也
・ヒア・カムズ・ザ・サン/有川浩
・黒い家/貴志祐介
●Magazines・Comics・Pamphlet
・代官山通信 Vol.124
・ROCKIN'ON JAPAN JANUARY 2014
・rockin'on 1 January 2014
・ROCKIN'ON JAPAN FEBRUARY 2014
・rockin'on 2 February 2014
・ラーメン食べ歩き 2014 首都圏版
・illustration FILE digital 03/イラストレーションファイル・デジタル 03
・Gravity/ゼロ・グラビティ パンフレット
・ROCKIN'ON JAPAN MARCH 2014
・rockin'on 3 March 2014
・代官山通信 Vol.125
・ASIAN KUNG-FU GENERATION THE MEMORIES 2003-2013
・ROCKIN'ON JAPAN APRIL 2014
・rockin'on 4 April 2014
・進撃の巨人(13)/諫山創
・ROCKIN'ON JAPAN MAY 2014
・rockin'on 5 May 2014
・代官山通信 Vol.126
・進撃の巨人 Before the fall(1)/諫山創・涼風涼・士貴智志
・進撃の巨人 Before the fall(2)/諫山創・涼風涼・士貴智志
・ROCKIN'ON JAPAN JUNE 2014
・rockin'on 6 June 2014
・ROCKIN'ON JAPAN JULY 2014
・rockin'on 7 July 2014
・ROCKIN'ON JAPAN AUGUST 2014
・rockin'on 8 August 2014
・世田谷ライフマガジン No.47
・ROCKIN'ON JAPAN SEPTEMBER 2014
・rockin'on 8 September 2014
・進撃の巨人(14)/諫山創
・ROCK IN JAPAN FES.2014 -オフィシャルパンフレット-
・代官山通信 Vol.127
・ぴあ ラーメン本 2015 首都圏版
・ROCKIN'ON JAPAN OCTOBER 2014
・rockin'on 10 October 2014
・ラーメンWalker東京23区 2015
・ROCKIN'ON JAPAN増刊号 "ROCK IN JAPAN FES.2014"
・ROCKIN'ON JAPAN NOVEMBER 2014
・rockin'on 11 November 2014
・ROCKIN'ON JAPAN DECEMBER 2014
・rockin'on 12 December 2014
・代官山通信 Vol.128
こんな感じで、世田谷中央図書館やTSUTAYAに通い続けて、2015年も読書しまくって、いろいろ感じたり学んだりできればと思います。
cf.
- 2007年を振り返る●Readings編●
- 2008年を振り返る●Readings編●
- 2009年を振り返る●Readings編●
- 2010年を振り返る●Readings編●
- 2011年を振り返る●Readings編●
- 2012年を振り返る●Readings編●
- 2013年を振り返る●Readings編●
- 2014年を振り返る●Readings編●
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