「私の家では何も起こらない/恩田陸」を読んだ
最近ご無沙汰な恩田陸さんの小説。三茶Tsutayaで買って読んでみた「私の家では何も起こらない」(MF文庫ダ・ヴィンチ)について。
こんな話。アップルパイがもうすぐ焼けるキッチンで殺し合った姉妹、近所から誘拐して連れてきた子供を解体して主人に食べさせていた料理女、床下で動かない少女のそばで自殺した少年、壁に埋め込まれた死体と思しき物体...小さな丘の上に建つ二階建ての古い家を舞台にした優雅で怖い、静謐な幽霊屋敷の物語。
過去から何度も陰惨な事件が起きた幽霊屋敷が、時代と登場人物を変えて語られる連作短編集。ジワジワと怖く、瓶詰めの臓器などグロすぎるい描写もあるんだけど、全体的にはノスタルジック。特に大工の親子のエピソードはユーモラスで面白かった。ともかく読みやすく、長野出張の往復あずさの中であっけなく読み終えてしまった。たまにはこんなホラーもいいかもしれない。
cf. 恩田陸 読破 List
- 六番目の小夜子 (1992)
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- 蛇行する川のほとり (2004)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
- エンド・ゲーム 常野物語 (2006)
- 朝日のようにさわやかに (2007)
- 木漏れ日に泳ぐ魚 (2007)
- きのうの世界 (2008)
- 私の家では何も起こらない (2010)
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