「島はぼくらと/辻村深月」を読んだ
ぼちぼち読んでる辻村深月さんの作品。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみた「島はぼくらと」(講談社)について。
こんなあらすじ。瀬戸内海の小さな島"冴島"に暮らす高校生の"朱里"、"衣花"、"源樹"と"新"の4人は島に高校がないため、フェリーで本土に通っていた。母と祖母の女三代で暮らす"朱里"、美人で気が強くどこか醒めた網元の一人娘"衣花"、父のロハス志向に巻き込まれ東京から連れてこられた"源樹"、そして熱心な演劇部員なのに思うようにフェリーの帰り時間のため練習に出られない"新"。彼らは島に残る幻の脚本を探すことになる...。
島の子はいつか本土に渡るという17歳の最後の季節を描いた青春小説。離島で暮らすことの不便さ、濃密すぎる人間関係、未婚の母の秘めた思い、Iターンの現実...そんな1つ1つの出来事に対して、4人の高校生とその周囲の人々の楽しさと苦悩が爽やかに暖かく描かれていた。それにしても母子手帳の一節で、「元気でいますか。ずっと、げんきで、いてください」という言葉になんかジーンときてしまった。
読んでいて海や風を感じられる青春小説、とても気持ちよい1冊でした。
cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
- ロードムービー (2008)
- 太陽の坐る場所 (2008)
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (2009)
- 光待つ場所へ (2010)
- ツナグ (2010)
- 本日は大安なり (2011)
- オーダーメイド殺人クラブ (2011)
- 水底フェスタ (2011)
- サクラ咲く (2012)
- 鍵のない夢を見る (2012)
- 島はぼくらと (2013)
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