「Capote/カポーティ」を観た
2006年の日本公開当時、劇場に観に行くか迷った「Capote/カポーティ」(2005/Cinema)。それでもTruman Capoteの小説「In Cold Blood/冷血」も読んだりしてて、やっと観れた感じ。
こんなあらすじ。1959年カンザス州の片田舎で農業を営む一家4人が何者かに惨殺されるという衝撃的事件が発生した。小説「Breakfast at Tiffany's/ティファニーで朝食を」で人気作家となったTruman Capote(Philip Seymour Hoffman)は、この事件を題材に記事を書くことを思いつき、幼なじみの女性作家Nelle(Catherine Keener)とともに事件現場へと取材に赴いた。やがて2人の容疑者が逮捕され、Capoteは牢獄の彼らと接近を試みる。面会を繰り返す中、Capoteは容疑者の1人Perry(Clifton Collins, Jr.)に惹かれていく...。
文学界に名を残す作家Truman Capoteが実際に起きた一家惨殺事件を自ら徹底取材し、傑作ノンフィクション小説「In Cold Blood/冷血」を書き上げた6年間を描いた伝記的映画。Capoteの心の苦悩と葛藤が描かれているんだけど、Lastで「Perryを救うために何もできなかった」と嘆くシーンが凄い。小説を書くという名声のために、Perryの心を開かせ利用し、裏で信頼を裏切るCapoteのあざとさになんとも言えなくなってしまう。まさに「冷血」というタイトルが自分自身が含まれているとは思ってもいなかった。
それもこれもCapoteを演じきったPhilip Seymour Hoffmanの演技力に脱帽してしまう。甲高い声色、同性愛者としてのしぐさなど、Capoteの不可解な精神構造が、胡散臭さとともに強烈に伝わってきた。あらためてご冥福をお祈りします。
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