「生きてるうちに、さよならを/吉村達也」を読んだ
三茶のTsutayaを徘徊中、平置きでPushされていた吉村達也さんの「生きてるうちに、さよならを」(集英社文庫)について。
こんなあらすじ。北海道で行われた親友の葬式で、勝手に亡くなった親友との絆を強調する自己陶酔型の弔辞に辟易した会社社長"本宮"は、自分の生前葬を企画することに。しかし本宮は、妻の"涼子"が重い病に冒されて、余命幾ばくもないことを隠している事実をを知らなかった...。
これ、会社社長"本宮"が、亡くなった親友や愛人、あるいは特に誰と決めずにと、様々な人に語りかける形で自身の記録をつづるという自分史を描いた小説。その語り口は丁寧だったり、自暴自棄だったりと語調が統一されておらず、本宮の緊迫感がとても伝わってくる。後半に凄いどんでん返しで起きて、話は一気に盛り上がり、どんどん引き込まれていったサスペンスなエンタメ小説だった。しっかし、主人公本宮が、愛人が9人もいる家庭を顧みない自分勝手な男という極端な設定が、いい意味で裏切りになっていると思う。
それにしても、初めて読んだ吉村達也さんの作品、ちょっと他の作品も読んでみたくなってきた。
cf. 吉村達也 読破 List
- 生きてるうちに、さよならを (2007)
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