「鹿の王 上 -生き残った者-・鹿の王 下 -還って行く者-/上橋菜穂子」を読んだ
以前、王様のブランチで紹介されてからずっと気になってた上橋菜穂子さんの「鹿の王 上 -生き残った者-」と「鹿の王 下 -還って行く者-」(KADOKAWA)。世田谷図書館に予約して半年待ってやっと読めた。
こんなあらすじ。強大な帝国"東乎瑠(ツオル)"にのまれていく故郷を守るため、死を求め戦う戦士団<独角>。その頭であったヴァンは、アカファ岩塩鉱の奴隷として囚われていた。ある夜、犬たちの群れがアカファ岩塩鉱を襲い、謎の病が発生した。奴隷達がバタバタと倒れて行く中、ヴァンはその隙に岩塩鉱を逃げ出すが、その際、生き残った幼い少女ユナを拾った。一方、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命にその治療法を探していた...。
これ、謎の奇病感染から生き残ったヴァンとユナ、そして命を救うため奔走する医師ホッサルを通じて、過酷な運命に立ち向かう人々の絆を描いた物語。最初、登場人物の名前が入り混じっていて覚えるのが大変だったんだけど、次第に引き込まれていった。宗教、医学、薬学、民族問題、生物学といった複雑な問題と思惑が絡み合っているんだけど、生きること、死ぬこと、命を守ること、そして命をつないでいくということをテーマに、壮大なファンタジー小説になっていた。特に後半、「鹿の王」の意味がわかったとき、ジーンときました。
この小説、いつか映像化されたらいいと思う。1,000ページ以上の本の旅、堪能させていただきました。
cf. 上橋菜穂子 読破 List
- 鹿の王 上 -生き残った者- (2014)
- 鹿の王 下 -還って行く者- (2014)
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