「背の眼/道尾秀介」を読んだ
ここ数年集中的に読んできた道尾秀介さん。三茶Tsutayaで買って読んでみた「背の眼」<上/下>(幻冬舎文庫)について。
これ、「骸の爪」(2006)、「花と流れ星」(2009)と読んできたホラー作家の道尾秀介と霊現象探求所を構える真備庄介、助手の凜によるホラーシリーズ第1弾。読む順番が逆になってしまったけど、やっと読めた。
こんなあらすじ。作家の"道尾秀介"は福島県白峠村を訪れたが、この村ではここ数年児童の神隠し事件が起こっているという話を聞く。道尾が河原を散策していると、レエ……オグロアラダ…ロゴ…という妙な声が聞こえてきた。そこは最初にいなくなった少年の頭部が流れ着いた場所だった。気味悪くなった道尾は予定を切り上げて東京へ帰り、霊現象を探求する友人"真備庄介"に相談を持ちかける...。
この「背の眼」は道尾秀介さんのデビュー作になるんだけど、うんちくの濃さ、トリックのばらまき方、不気味な設定などなど、その後に続く道尾秀介ワールドの礎になっている。で、一番の反省はこの真備庄介シリーズを最初に読まなかったこと。なぜ真備庄介は心霊現象を探求するのか、なぜ真備庄介は自分勝手で強引なやりかたで物事を進めるのか、なぜ凜は霊現象探求所で助手として働いていくのかなど、この本を読んでから「骸の爪」と「花と流れ星」を読んだ方がより楽しめたと思う。ともかくホラー作家の道尾秀介がいい感じで狂言回し役を担当しているのが、怖い中でも微笑ましい。
あとは最新刊の「透明カメレオン」を読めば、とりあえず道尾秀介全作品を読了したことに。早く図書館の順番が回ってくるのを願うばかり。
cf. 道尾秀介 読破 List
- 背の眼 (2005)
- 向日葵の咲かない夏 (2005)
- 骸の爪 (2006)
- シャドウ (2006)
- 片眼の猿 -One-eyed monkeys- (2007)
- ソロモンの犬 (2007)
- ラットマン (2008)
- カラスの親指 by rule of CROW'S thumb (2008)
- 鬼の跫音 (2009)
- 龍神の雨 (2009)
- 花と流れ星 (2009)
- 球体の蛇 (2009)
- 光媒の花 (2010)
- 月の恋人-Moon Lovers- (2010)
- 月と蟹 (2010)
- カササギたちの四季 (2011)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 水の柩 (2011)
- 光 (2012)
- ノエル-a story of stories- (2012)
- 笑うハーレキン (2013)
- 鏡の花 (2013)
- 貘の檻 (2014)
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