「田舎でロックンロール/奥田英朗」を読んだ
ずっとに読んできた奥田英朗さんの小説。今回は世田谷中央図書館で借りた最新音楽エッセイ「田舎でロックンロール」(角川書店)について。
これ、日本の片田舎に暮らすオクダ少年に宿ったロック魂を描いたロックエッセイ。T.Rex、The Beatles、Queen、Boz Scaggs...そんな彼らの音楽に魂を奪われ、ラジオのエアチェックに明け暮れ、なけなしの小遣いで買ったレコードに狂喜し、ハズれたレコードを前に悲嘆に暮れる。自分もまさにこんな中学/高校生活をしていたので、非常に近視感を感じ、同じ時代におんなじ価値観を共有させていただいた。しっかし、オクダ少年が念願の初Queenコンサートにいき、Freddie Mercuryのツバが飛ぶステージに突進するくだりは本当に最高だった。
「わたしは基本的に学校が嫌いなのである。同じ服を着せられ、整列させられる、それだけのことに屈辱を覚え、反抗したくなる。自由を規制し、単一の価値観を植え付ける、そういった権力の支配を心から憎んでいる。だから、わたしとロックの相性のよさは必然と言えたのかもしれない。ロックがなかったら、わたしの十代はどうなっていたことやら。ロックは世界中でたくさんの人間の青春を救ったのではないかと、そんなことを考える、そろそろ人生の黄昏どきなのでありました。」...この一節、本当によかったです。自分もロックに救われたんだってこと、思い出しました。
cf. 奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- イン・ザ・プール (2002)
- 延長戦に入りました (2002)
- マドンナ (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 用もないのに (2009)
- 無理 (2009)
- 純平、考え直せ (2011)
- 我が家の問題 (2011)
- あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 噂の女 (2012)
- 沈黙の町で (2013)
- 田舎でロックンロール (2014)
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