「旅のラゴス/筒井康隆」を読んだ
中高校生の頃、メチャメチャハマった筒井康隆さんの小説。で、桜新町Tsutayaでひっかった 「旅のラゴス」 (新潮文庫)について。
これ、1994年に発売されて20年以上たっている小説らしいけど、ここ近年なぜか急に売れているとのこと。
こんなあらすじ。高度な文明を失い、中世レベルまで退化してしまったこの世界で、人々は"同化"や"転位"といった超能力を身につけていった。そんな世界でラゴスは、集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、奴隷の身に落とされながらも愛馬スカシウマとともに生涯をかけて旅を続けていた...。
これ、高度な文明を無くした代わりに人間が超能力を手にしているという独特の世界が舞台。異空間と異時間が交差する世界で、主人公が生涯をかけて続けた旅を通じて、旅の目的とか人の人生とかがジワジワと伝わってくる。先日読んだ上橋菜穂子さんの「鹿の王」のような舞台設定、断つことができない漂泊への憧れみたいなものが伝わってくる不思議な読後感だった。
「霊長類南へ」、「筒井順慶」、「俗物図鑑」、「家族八景」、「エディプスの恋人」、「パプリカ」、「にぎやかな未来」、「農協月へ行く」、「おれに関する噂」、「メタモルフォセス群島」、「串刺し教授」、「笑うな」など筒井康隆さんの小説は結構ハマって読んだもの。ひさびさにブラックなSFワールドに浸りたくなった...。
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