「家族シアター/辻村深月」を読んだ
ぼちぼち読んでる辻村深月さんの小説。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「家族シアター」(講談社)について。
家族の物語を描いた7つの短編集。それぞれこんなあらすじ。
・「妹」という祝福:
1つ違いの姉"由紀枝"の結婚式に出席している妹"亜季"は、テーブルに置かれた姉からの手紙を受け取る。同じ中学に通っていた2人だけど、姉は超真面目で妹はイケていた...。
・サイリウム:
アイドルオタクの大学生の弟"ナオ"は、バンドの追っかけをしている姉"真矢子"にバカにされていた。そんなナオは姉が悩んでいるというブログを読み、バンドの悪い噂を気にし出す...。
・私のディアマンテ:
国立大学も狙える優等生の娘"えみり"を持った母"絢子"は、えみりが特待生であるためにクラスになじめないのではと心配していた。そんな2人は、友だち親子のような兄嫁に食事に招かれたが...。
・タイムカプセルの八年:
大学准教授の父"水内"は、息子"幸臣"が出勤初日に、幸臣が小学6年生の卒業の時に埋めたタイムカプセルのことを思い出す。その頃、水内は「親父会」として小学校の役員をいやいややっており、幸臣は担任の熱血教師"比留間"に憧れていた...。
・1992年の秋空:
姉の"はるか"は、理科が得意で宇宙が大好きな5年生の妹"うみか"が、クラスで浮いていることを気にしていた。ある日、鉄棒の練習をいっしょにする約束をした日"うみか"が大ケガをしてしまう...。
・孫と誕生会:
アメリカに住んでいた長男"孝治夫婦"から一緒に暮らすことを提案され、日本で同居することとなった70歳目前のおじいちゃんの"木原"は、日本の生活になじめない小学3年生の孫娘"実音"との接し方に戸惑っていた。そんなある日、実音の小学校へ竹とんぼ作りの講師として招かれる...。
・タマシイム・マシンの永遠:
赤ん坊の"伸太"と妻"希美"と一緒に帰省のため実家に向かう。俺は藤子・F・不二雄を敬愛していたことが縁で希美と知り合い、結婚していた...。
どの話も家族とのしがらみとかちょっとしたすれ違いとか、それなりの「事件」があって、素直になれなかったりとイタイ話ばかり。でも最後にはなんとなく乗り越えていくというもの。個人的にはアイドルとバンドの追っかけ姉と弟を描いた「サイリウム」と、おじいちゃんと帰国子女の女の子を描いた「孫と誕生会」がよかったかも。ジワっとひっかかって、なかなかよかったです。
cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
- ロードムービー (2008)
- 太陽の坐る場所 (2008)
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (2009)
- 光待つ場所へ (2010)
- ツナグ (2010)
- 本日は大安なり (2011)
- オーダーメイド殺人クラブ (2011)
- 水底フェスタ (2011)
- サクラ咲く (2012)
- 鍵のない夢を見る (2012)
- 島はぼくらと (2013)
- 家族シアター (2014)
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