「名盤ドキュメント RCサクセション "シングル・マン"~君は、彼の魂の叫びを聴いたか~」(NHK-BS)を観た
以前に観た「名盤ドキュメント 佐野元春 "ヴィジターズ"『NYからの衝撃作 30年目の告白』」に続き、今回は「名盤ドキュメント RCサクセション "シングル・マン"~君は、彼の魂の叫びを聴いたか~」がNHK-BSで放送された。しっかりとチェック。
RCサクセションの3rd Album「シングルマン」は1974年に録音されるものの、事務所の移籍問題で1976年にReleaseされたが、まったく売れずにすぐに廃盤。その後「シングル・マン再発実行委員会」の働きかけにより、1980年に再発売されたいわくつきのRCの名盤で、まさにエレキを導入する前に叙情たっぷりのRCを堪能できる。
この番組ではRCメンバー以外の当時に関係者が出演し、発掘されたマルチトラック・テープをひも解きながら製作過程を追っていくんだけど、まさにこの「シングルマン」には清志郎を初めとしたメンバーの怒りと不安が詰め込まれている。「やさしさ」には「シングルマン」の象徴としての怒りにあふれているし、「うわの空」には見つかったマルチトラックで判明した通りトラック毎に浮遊感漂う音作りになっている。「ヒッピーに捧ぐ」には亡くなったサブマネージャーに対する鎮魂が込められている。そして「甲州街道はもう秋なのさ」にはマルチトラックに残っていた星勝アレンジのストリングスをばっさり捨て、リンコのウッドベースのみしたことで生々しさが完全に勝っている。当時の製作スタッフと戦い、自分達の音楽に合わない部分を断固拒絶してReleaseできたことに拍手を送りたい。
今回の番組出演者は、仲井戸麗市、星勝、茂木省造、井上陽水、友部正人、竹中直人、角田光代、サンプラザ中野くん、曽我部恵一、ワタナベイビー、多賀英典、森川欣信、ムッシュかまやつ。反発された星勝ら「シングルマン」製作スタッフは当時を振り返りつつも、これでよかったと納得しているところがとてもすがすがしかった。製作から40年以上がたって時が癒してくれる。いい番組だった。
● On Air Set List:
M-01. 大きな春子ちゃん/ワタナベイビー、曽我部恵一
M-02. 甲州街道はもう秋なのさ/ワタナベイビー、曽我部恵一
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