「牛乳アンタッチャブル/戸梶圭太」を読んだ
三茶のTsutayaを徘徊中ひっかかった、戸梶圭太さんの「牛乳アンタッチャブル」(双葉文庫)について。
こんなあらすじ。雲印乳業西日本支社のお客様相談センターに、低脂肪牛乳を飲んで食中毒をおこしたという1本の電話がかかってきた。やがてその数は一気に増え対応に追われるセンターだが、会社の上層部は真剣に取り合わない。やっと開いた記者会見では、社長と大阪の工場長が真っ向から対立し大混乱に陥る。こんな会社に未来はあるのか? そのとき無責任な俗物経営陣を倒すため、立ち上がった社員がいた...。
大手牛乳会社"雲印乳業"で製造された低脂肪乳によって引き起こされた大規模な集団食中毒が大事件に発展していくという企業エンタメ小説。実際の牛乳食中毒事件を下敷きにし、でたらめの経営陣、腐った会社幹部を相手にした特別調査という名のクビキリチーム、過剰過ぎるキャラクター設定、止まらないスピード感などなど、メチャクチャだけどグイグイ引き込まれた。しかもむき出しの感情に嫌悪感を感じさせないのは、まさに我々の心に潜むうっぷんやストレスを代弁しているからかもしれない。
最初この本を手に取ったときは、実際の事件をフィクション的に描いたハードな企業小説を想像していたけど、完全に裏切られた。初めて読んだ戸梶圭太さん、これからハマりそうな気がします。
cf. 戸梶圭太 読破 List
- 牛乳アンタッチャブル (2002)
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