「森は知っている/吉田修一」を読んだ
ずーっと読んでる吉田修一さん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「森は知っている」(幻冬舎)について。
こんなあらすじ。石垣島の南西の島"南蘭島"の集落で、知子ばあさんと暮らす高校生の"鷹野一彦"。鷹野は両親からの虐待に合い、母親は4歳の彼と2歳の弟を大阪市内の自室に監禁して姿を消した。餓死した弟を抱いて発見された鷹野は、産業スパイ組織"AN通信"に引き取られ、諜報活動訓練の教育されていた。ある日、同じ訓練生で親友の"柳勇次"が、1通の手紙を残して姿を消した...。
これ、前作「太陽は動かない」で冷酷非情でクールな産業スパイとして活躍した"鷹野一彦"が沖縄の小さな島の高校3年生だった頃の物語。鷹野一彦の過去が明かされるEpisode Zeroというべき作品。南蘭島で暮らす普通の高校生の甘酸っぱい青春小説かと思えばそうではなく、壮絶な過去と産業スパイという過酷な未来を背負う少年達の物語だった。島の自然含めて瑞々しい前半から徐々に過酷な運命に翻弄されていくんだけど、それでも自分だけを信じて真っ白な世界を描いていくあたりは、ある意味冒険小説なのかもしれない。面白かったです。
cf. 吉田修一 読破 List
- 最後の息子 (1999)
- 熱帯魚 (2001)
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- 東京湾景 (2003)
- 長崎乱楽坂 (2004)
- ランドマーク (2004)
- 7月24日通り (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- ひなた (2006)
- 女たちは二度遊ぶ (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- うりずん/吉田修一・佐内正史 (2007)
- 悪人 (2007)
- 静かな爆弾 (2008)
- さよなら渓谷 (2008)
- あの空の下で (2008)
- 元職員 (2008)
- キャンセルされた街の案内 (2009)
- 横道世之介 (2009)
- 空の冒険 (2010)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
- 路(ルウ) (2012)
- 愛に乱暴 (2013)
- 怒り (2014)
- 森は知っている (2015)
« T-Shirts #67 -Human Rights Now- | Main | 「ケツメイシ KTM TOUR 2015 [アドベンチアーズ] シモネティーナと4人の賢者~失われた聖水を取り戻せ~」(WOWOW)を観た »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「リバー/奥田英朗」を読んだ(2024.08.15)
- 「永遠と横道世之介/吉田修一」を読んだ(2024.07.31)
- 「キネマの神様」を観た(2024.07.22)
- 代官山通信 Vol.166(2024.07.19)
- 「お帰り キネマの神様/原田マハ」を読んだ(2024.07.18)
Recent Comments