「64(ロクヨン)/横山秀夫」を読んだ
世田谷中央図書館で借りて読んだ横山秀夫さんの「64(ロクヨン)」<上/下>(文春文庫)について。
こんなあらすじ。昭和64年1月5日にD県警管内で誘拐事件が発生した。お年玉をもらってくると言い残して昼過ぎに自宅を出た"雨宮翔子"は、近くの親類宅に向かう途中、忽然と姿を消し、身代金2千万円を奪われ、無残な死体で発見された。しかし犯人はつかまっていない。この「翔子ちゃん誘拐殺人事件」をめぐり、刑事部と警務部が全面戦争に突入する。その狭間に落ちた広報官"三上義信"は己の真を問われる...。
元刑事の広報官三上は、マスコミと県警上層部からの圧力でジレンマを感じながら翻弄し、さらに娘あゆみの失踪、14年前の未解決誘拐事件への上層部の思惑や広報マンとしての対応...そんな困難な爆弾を抱えながら自分の道を探していく話。タイムリミットがある中、様々な問題に対応していく様は身につまされたし、マスコミ、被害者含め警察内外での男達の対決とその裏にある苦悩と決断がリアルに重く響いた。さらに被害者家族の執念が未解決事件の犯人にたどり着く様は圧巻だった。
それにしても、「半落ち」とか「クライマーズ・ハイ」とか横山秀夫さんの書く世界は重厚だし、緊張感まみれだし、本当に読み応えがある。この「64(ロクヨン)」も凄かった。しょっちゅう読んでる作家ではないけど、これからも読んでいきたい。
cf. 横山秀夫 読破 List
- 半落ち (2002)
- 第三の時効 (2003)
- クライマーズ・ハイ (2003)
- 影踏み (2003)
- 看守眼 (2004)
- 64(ロクヨン) (2012)
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