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Friday, October 23, 2015

「おしゃれと無縁に生きる/村上龍」を読んだ

Ryumurakami_osharetomuen もう30年近く読み続けてる村上龍さん。世田谷中央図書館から借りて読んだ最新エッセイ集「おしゃれと無縁に生きる」(幻冬舎)について。
 これ、雑誌「GOETHE」で2011年から2015年まで連載されていた44編のエッセイをまとめたもの。ひとつひとつがコンパクトでイッキに読めてしまった。で、何十年も村上龍の作品を読んでいると、彼の変遷と変化がわかる。昔のギラギラと相手に押しつけがましい内容から、今の村上龍はなんか達観している。なんとなく言いっぱなしというか、遠くから諦観しているような感じの文章が多かったし、もう今の日本や日本人に対してあまり言いたいことはないという感じ。このあたり寂しかったりするけど、自分も歳をとって理解できる。イチイチ全部に反応してたら疲れるし。
 そんな中でよかった文章はこれ、
 ~「『お金で幸福は買えるのか?』そんな問いに意味はない。別に幸福でなくても生きていける。だが、信頼がなければ、人生はひどく辛いものになる。そして信頼は、絶対にお金では買えない。」~
 クールジャパン、ワイン、コンプライアンス、インターネットと読書、オリンピック、日本語の乱れ、争点の喪失、「昔はよかった」のか?、アベノミクスの功罪、夢を持つべきなのか、高齢化社会、情報の取捨選択、加齢と労働、観光立国、人口減少と晩婚・未婚化、理想の住まいとは、定年...達観してるけど好奇心だけは失わない。やっぱり村上龍の書くエッセイは、村上龍にしか書けないものだと思った。

cf. 村上龍 読破 List
- 限りなく透明に近いブルー (1976)
- 海の向こうで戦争が始まる (1977)
- コインロッカー・ベイビーズ (1980)
- 走れ!タカハシ (1986)
- ニューヨーク・シティ・マラソン (1986)
- 69 sixty nine (1987)
- 愛と幻想のファシズム (1987)
- 超電導ナイトクラブ (1991)
- 長崎オランダ村 (1992)
- 昭和歌謡大全集 (1994)
- 五分後の世界 (1994)
- 村上龍映画小説集 (1995)
- ヒュウガ・ウイルス~五分後の世界II (1996)
- ストレンジ・デイズ (1997)
- イン ザ・ミソスープ (1997)
- 共生虫 (2000)
- 希望の国のエクソダス (2000)
- 2days 4girls (2002)
- 半島を出よ (2005)
- 空港にて (2005)
- 盾 Shield (2006)
- 美しい時間/小池真理子・村上龍 (2006)
- 案外、買い物好き (2007)
- 歌うクジラ (2010)
- 逃げる中高年、欲望のない若者たち (2010)
- 心はあなたのもとに (2011)
- 櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている (2012)
- 55歳からのハローライフ (2012)
- 自由とは、選び取ること (2013)
- 賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。 (2013)
- おしゃれと無縁に生きる (2015)

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