「今夜は眠れない/宮部みゆき」を読んだ
実はあんまり読んでいない宮部みゆきさん。三茶Tsutayaで買って読んでみた「今夜は眠れない」(角川文庫)について。
こんな話。中1でサッカー部の僕"緒方雅男"は、結婚15年目の両親とごく普通の平和な我が家に暮らしていた。そんなある日、"放浪の相場師"と呼ばれた謎の人物が母親に5億円もの財産を遺贈したことで、生活が一変する。近所の人々や同級生の態度が変わり、見ず知らずの人々からの脅迫電話は鳴りやまず、さらに父親は母親の過去を疑い家を出てしまう。相場師はなぜ母親に大金を遺したのか...? 家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエース"島崎"と真相究明に乗り出す...。
いきなり5億という大金を手にした家族に起きたドタバタから、いつのまにかミステリーになっていた。父親の浮気とか母親の過去とか知らなくてもいいことに遭遇しても、子供なりにうまく消化するし、子供は大人が思っている以上にいろいろ考えている。家族とは? お金とは?を考えさせられる作品。
ともかくストーリーはしっかりしているし、いろいろな布石やパーツが最後にうまく組み上がる作風はさすがだし、雅男と島崎のかけあいは絶妙だった。読み終わってどこか心が暖かくなるような、肩のはらないミステリーでした。
cf. 宮部みゆき 読破 List
- 龍は眠る (1991)
- 今夜は眠れない (1992)
- 地下街の雨 (1994)
- 模倣犯 (2001)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
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