「ナオミとカナコ/奥田英朗」を読んだ
ずーとに読んできてる奥田英朗さんの小説。今回は世田谷中央図書館で借りた「ナオミとカナコ」(幻冬舎)について。
こんなあらすじ。OLの"直美"はデパートの外商という望まない職場で憂鬱な日々を送り、専業主婦の"加奈子"は夫の酷いドメスティック・バイオレンスに耐えていた。30歳を目前に、受け入れがたい現実に追いつめられた2人は、人生を取り戻すために究極の選択をする。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」...。
これ、追いつめられたナオミとカナコは行う素人感だらけの殺人計画を描いた犯罪小説。読んでいて嫌になるほどのドロドロの生活を一変させる内容に、犯罪者であるにもかかわらず、2人を応援したくなる。痴呆老人を巻き込み大金を動かす銀行での横領事件、お客様にこびへつらいながら売上を上げていくデパートの外商、異国の地でしたたかに生き抜く華僑の中国人女性、そとづらとはあまりに豹変した夫が日常的に行う暴行するドメスティック・バイオレンス、兄の死の真相を執拗に追い続ける妹の執念...すべての要素が組み上がって、ハラハラしたエンターテイメント小説になっていた。
昔観た映画「Thelma and Louise/テルマ&ルイーズ」を思い出しながら、イッキに読めてしまった。お勧めです。
cf. 奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- イン・ザ・プール (2002)
- 延長戦に入りました (2002)
- マドンナ (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 用もないのに (2009)
- 無理 (2009)
- 純平、考え直せ (2011)
- 我が家の問題 (2011)
- あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 噂の女 (2012)
- 沈黙の町で (2013)
- 田舎でロックンロール (2014)
- ナオミとカナコ (2014)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「転の声/尾崎世界観」を読んだ(2024.10.09)
- 「街とその不確かな壁/村上春樹」を読んだ(2024.10.05)
- 「リバー/奥田英朗」を読んだ(2024.08.15)
- 「永遠と横道世之介/吉田修一」を読んだ(2024.07.31)
- 「キネマの神様」を観た(2024.07.22)
Recent Comments