「絶唱/湊かなえ」を読んだ
ジワジワ読んでる湊かなえさん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「絶唱」(新潮社)について。
これ、南の島トンガを舞台した「楽園」、「約束」、「太陽」、「絶唱」の4編からなる連作短編集。最初の「楽園」はこんなあらすじ。雪絵は誰にも行き先を告げず、南の島トンガに向かった。そのトンガのゲストハウスで、雪絵は5歳の女の子を抱えたキャバ嬢の杏子と出会う。そして雪絵は、自分が被災した年齢と同じ歳の女の子を見て、阪神淡路大震災の光景を思い出した...。
これ、4人のヒロインがそれぞれ阪神淡路大震災によって受けた心の傷と深い闇を抱えて生きてきており、それぞれ4人が底抜けに青い海と眩いほどの太陽のトンガで邂逅していく話。震災を通じて、生き残った人たちの弱さと強さを時にユーモアを、時に腹立たしさをもって描いていた。
それにしても作者の湊かなえさんは、自身の震災体験を経て、青年海外協力隊員としてトンガに赴いていたことは知らなかったです。
cf. 湊かなえ 読破 List
- 告白 (2008)
- Nのために (2010)
- 夜行観覧車 (2010)
- 往復書簡 (2010)
- サファイア (2012)
- 白ゆき姫殺人事件 (2012)
- 絶唱 (2015)
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