「村上さんのところ/村上春樹・フジモトマサル」を読んだ
ずーっと読んでる村上春樹さん。世田谷中央図書館に予約して読んでみた「村上さんのところ/村上春樹(答えるひと)・フジモトマサル(絵)」(新潮社)について。
これ、この2015年1月から5月の4ヶ月期間限定で立ちあげた質問・相談サイト「村上さんのところ」。このサイトには37,465通もの質問・相談メールが寄せられ、そのすべてを村上春樹は読んで、3,761通の返事を書いたという。しかも日本語以外でも外国語14ヶ国語2,530通のメールが届いたとのことで、日本以外の国々で翻訳され出版されてきた作品の浸透ぐあいがよくわかる。
で、この本は村上春樹が答えた膨大な3,761通のメールのやりとりの中から、名問答473通を厳選して収録されたもの。日常の悩みから村上春樹へのジャズや昔やってた店や恋愛観や生き方までを聞いていて、それに対して時に真面目に、ゆるく適当に、スルーしたり、はぐらかしたりと返事を書いている。「奥さんの機嫌が悪いときの対処法は?」、「SNSが氾濫し、賞賛と批判がないまぜのまま届く状況でどうスル―するか?」、「将来の仕事で悩む13歳」、「学校が嫌いな生徒や先生」、「ラブホ街で人間のまねをする猫」、「毎年ノーベル文学賞候補と騒がれることはうざくないか?」、「子供や親を亡くした人からの相談」、「どうやったら英語が上手になるのか?」とか、なんかじんわりしたり、あきれたりと、結構ハマってしまった。
この本には可愛くてシュールなフジモトマサルのイラストが添えられていて、これが思わずニヤリとさせられる。しかし残念なことに、先日慢性骨髄性白血病のため亡くなられた。ご冥福をお祈りします。
cf. 村上春樹 読破 List
- 風の歌を聴け (1979)
- 中国行きのスロウ・ボート (1980)
- カンガルー日和 (1981)
- 象工場のハッピーエンド/村上春樹・安西水丸 (1983)
- 蛍・納屋を焼く・その他の短編 (1984)
- 回転木馬のデッド・ヒート (1985)
- 羊男のクリスマス/村上春樹・佐々木マキ (1985)
- パン屋再襲撃 (1986)
- レキシントンの幽霊 (1986)
- ランゲルハンス島の午後/村上春樹・安西水丸 (1986)
- ノルウェイの森 (1987)
- TVピープル (1990)
- 雨天炎天-ギリシャ・トルコ辺境紀行- (1990)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
- ふわふわ/村上春樹・安西水丸 (1998)
- Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド (1998)
- 神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
- 海辺のカフカ (2002)
- アフターダーク (2004)
- 東京奇譚集 (2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
- 1Q84 BOOK1 <4月-6月> (2009)
- 1Q84 BOOK2 <7月-9月> (2009)
- 1Q84 BOOK3 <10月-12月> (2010)
- ねむり (2010)
- 村上春樹 雑文集 (2011)
- 1Q84 BOOK1 <4月-6月> 前編(文庫) (2012)
- 1Q84 BOOK1 <4月-6月> 後編(文庫) (2012)
- 1Q84 BOOK2 <7月-9月> 前編(文庫) (2012)
- 1Q84 BOOK2 <7月-9月> 後編(文庫) (2012)
- 1Q84 BOOK3 <10月-12月> 前編(文庫) (2012)
- 1Q84 BOOK3 <10月-12月> 後編(文庫) (2012)
- おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2/村上春樹・大橋歩 (2011)
- サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3/村上春樹・大橋歩 (2012)
- 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (2013)
- 恋しくて-TEN SELECTED LOVE STORIES-/村上春樹(編訳) (2013)
- 女のいない男たち (2014)
- 村上さんのところ/村上春樹・フジモトマサル (2015)
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