「キネマの神様/原田マハ」を読んだ
「楽園のカンヴァス」を読んでひっかかった原田マハさん。三茶Tsutayaで買って読んでみた「キネマの神様」(文春文庫)について。
こんなあらすじ。39歳で独身の"歩"は突然会社を辞めるが、そんな矢先趣味は映画とギャンブルという父親が倒れ、父親に多額の借金があることが発覚した。一命を取りとめた父親が雑誌「映友」に、映画についての歩の文章を投稿したのをきっかけに、歩は映友編集部に採用され、ひょんなことから父親の映画ブログをスタートさせることになった...。
この映画、最初は主人公の失職、父の借金などお先真っ暗な前半だったけど、ゴウ(=歩の父親)が映画ブログを始め、辛口なローズ・バッドとゴウとの映画評論バトルあたりからは一気読みました。「Nuovo Cinema Paradiso/ニュー・シネマ・パラダイス」、「FIELD OF DREAMS/フィールド・オブ・ドリームス」、「Letters From Iwo Jima/硫黄島からの手紙」、「American Beauty/アメリカン・ビューティー」、「Schindler's List/シンドラーのリスト」、「Finding Forrester/小説家を見つけたら」...自分が今まで観てきた映画が出てきて、どんどんハマっていく。そしてローズ・バッドとゴウが徐々に友情を育み、それを支えるまわりの人々が最高によかった。そして、ローズ・バッドからの最期の手紙あたりでは、山手線の中だったけど、涙が止まらなかった。
それにしても、1990年ごろ、銀座・和光裏のシネスイッチ銀座で、単館上映されていた「ニュー・シネマ・パラダイス」を観に行ったけど、あの時にジーンとした気持ちをもう一度思い出した。映画好きにはたまらない1冊。本当にいい小説だと思います。
cf. 原田マハ 読破 List
- キネマの神様 (2008)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
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