「さいはての彼女/原田マハ」を読んだ
最近ジワジワ読んでいる原田マハさん。三茶Tsutayaで買って読んでみた「さいはての彼女」(角川文庫)について。
これ、女性を主人公に再生をテーマにした4つの短編集。それぞれこんなあらすじ。
・さいはての彼女:
敏腕若手女性社長の"鈴木涼香"は、猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去ってしまう。高見沢に頼み、失意のまま出かけた一人旅の沖縄行のチケットは、女満別だった。そこでハレー乗りのナギに出会う...。
・旅をあきらめた友と、その母への手紙:
いつも親友との二人旅を楽しんできたフリーランスの広告ディレクターが、伊豆の温泉へと初めての一人旅に出る...。
・冬空のクレーン:
大手ディベロッパーの管理職のキャリアウーマンが、部下とのいざこざで図らずも長期休暇をとることを余儀なくされる。仕方なく出た北海道で自然と向き合う...。
・風を止めないで:
ハレー乗りのナギを実家を大手広告代理店の男が訪ねてくる。ナギをハーレーのキャンペーンに登場させてほしいという。耳が聴こえないナギの母親は見世物にできないと最初は断るのだが...。
キャリアウーマンを主人公に彼女たちが挫折を味わい、親の介護を気にし、旅に出る。そこで人に触れ、自然に触れ、バイクに触れ、空に舞うツルに触れ、もう一度再生していく。やっぱりよかったのは「さいはての彼女」とそのスピンオフ的作品の「風を止めないで」。ハレー乗りのナギを中心にさわやかな風が吹いていた。
いやー、原田マハさん、とってもいいです。これからもちょっとづつ読んでいきたい。
cf. 原田マハ 読破 List
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
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