「我が家のヒミツ/奥田英朗」を読んだ
ずーとに読んでる奥田英朗さん。今回は世田谷中央図書館で借りた「我が家のヒミツ」(集英社)について。
これ、「家日和」「我が家の問題」に続く平成の家族の日常を描いたシリーズ3作目。それぞれこんな話。
・虫歯とピアニスト:
子どもがなかなか授からず、義母からのプレッシャーがかかる中、敦美は夫と改めて話し合うことを躊躇していた。そんな中、敦美が務める歯科医院に大好きなピアニストがやってくる...。
・正雄の秋:
同期との出世競争に敗れ、鬱屈な日々を送る53歳の正雄。そんな中、競争相手の親の葬式案内が正雄のもとに届く...。
・アンナの十二月:
アンナは16歳になり、初めて会った実父が著名な演出家であることを知り、浮かれてしまう...。
・手紙に乗せて:
亨は、母の急逝を機に実家に戻ることを決める。そこで妹共に憔悴した父を心配する...。
・妊婦と隣人:
産休中の葉子は、隣に住む謎めいた夫婦のことが気になって仕方がない...。
・妻と選挙:
最近ヒット作に恵まれない作家の康夫は、突然妻が市議会議員選挙に立候補すると言い出して戸惑うことに...。
これ、家族という運命共同体の中で起きる様々な複雑でやっかいなことに対して、正直になんでも話せずに悶々とする人々の日常を描いた家族小説。結局家族って誰かが弱っていると、みんなが弱ってしまう。おたがいにちょっとだけでも心を開いて、心配したり、悲しんだり、後ろ向きのことも共有することが大事なんだなぁって思える。そんなことを気づかせてくれる1冊だと思います。
cf. 奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- イン・ザ・プール (2002)
- 延長戦に入りました (2002)
- マドンナ (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 用もないのに (2009)
- 無理 (2009)
- 純平、考え直せ (2011)
- 我が家の問題 (2011)
- あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 噂の女 (2012)
- 沈黙の町で (2013)
- 田舎でロックンロール (2014)
- ナオミとカナコ (2014)
- 我が家のヒミツ (2015)
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