「Into The Wild-荒野へ/Jon Krakauer-ジョン・クラカワー:佐宗鈴夫[訳]」を読んだ
二子玉川の蔦屋家電で徘徊中に見つけて読んでみた「Into The Wild-荒野へ/Jon Krakauer-ジョン・クラカワー:佐宗鈴夫[訳]」(集英社文庫)について。
これ、以前観た映画「Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド」(2007)の原作本。Chrisという青年が大学を卒業すると同時に、たいした装備もなく単身でアラスカの荒野に足を踏み入れ、およそ4ヵ月後捨てられたバスの中で腐乱死体となって発見された。そんな厳寒のアラスカに消えたひとつの命についてのノンフィクション小説がこれ。映画のほうは主人公Chirsの冒険を中心に描かれていたが、この本は、Chrisとほかの冒険家との比較であったり、作者であるJon Krakauer自身が体験した冒険を通じたChrisの心情理解とか、Chrisの家族やChrisが旅の途中に出会った様々な人々のインタビュー、Chrisが読んだ本、Chrisが残した日記や写真、そしてChrisの死に場所となったバスを実際に作者が観に行ったくだりがこってりと書かれている。
Chrisは文明社会を拒絶し、家族とのかかわりを捨て、名前を捨て、いままでの裕福な生活を放棄した。そんなChrisに対して思慮のない若者として世間の非難が集中したが、この本ではChrisはなぜアラスカの荒野でひとり死んだのか、荒野で自殺したのか、それとも最後まで生き抜こうとしたのかが、最大のテーマになっていたと思う。
もう一度、映画「Into the Wild/イントゥ・ザ・ワイルド」を観直したくなりました。
cf. Jon Krakauer-ジョン・クラカワー 読破 List
- Into The Wild-荒野へ (2007)
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