「流/東山彰良」を読んだ
大昔「ラム&コーク」を読んだことがある東山彰良さん。2016年本屋大賞ノミネートで第153回直木賞受賞作ということで、世田谷中央図書館に予約してやっと借りれた「流」(講談社)について。
こんなあらすじ。台湾・台北が舞台。1975年蒋介石総統の死の直後、祖父"葉尊麟"が何者かに殺された。国民党と共産党の内戦が激化する中で、祖父は共産党側の多くの人々を殺し、その内戦に敗れ、追われるように台湾に渡った人物。無軌道に生きている17歳の"葉秋生"は、なぜ祖父が殺されたのかの意味を求め、台湾から日本そしてすべての答えが待つ大陸へ渡る...。
17歳の"葉秋生"は、祖父譲りの義侠心も持ち合わせ、切ない恋愛を経験し、暴力沙汰も絶えない主人公。殺された祖父の遺体を発見した葉秋生には、義理人情にも厚く、一族や仲間を大切にしてきた祖父の死が心のしこりとしてずっと残っていた。主人公の青春は読んでてとっても楽しいんだけど、祖父の死が彼の人生に暗い影をなげていて、それが台湾の近代史に直接つながっている。
タイトルの「流」とあるように、台湾に渡った一家の流浪を描いた1冊だった。
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