「教団X/中村文則」を読んだ
本屋大賞候補として気になってた中村文則さんの「教団X」(集英社)。世田谷中央図書館で借りて読んでみた。
こんなあらすじ。失職中の"楢崎"は"立花涼子"と出会い交際することになったが、立花は姿を消した。楢崎は立花を探すために友人の探偵"小林"に捜索を依頼した。そこで楢崎は、思索家"松尾正太郎"の存在をつきとめたが、松尾率いるグループと対をなすカルト教団「教団X」の中に立花が消えたことがわかった...。
図書館で借りた際、あまりのブ厚さにビビったほど読み応え十分なんだけど読みづらくはないこの本、戦争を経験し、宇宙や神や運命を思想続けた松尾の話は興味深いし、その松尾に師事していたものの袂を分かち、性で洗脳するカルト教団「教団X」を立ち上げた教祖"沢渡"の存在も凄まじい。教祖を崇拝し盲目的に従う教団員たちの心理、執拗な性描写、靖国問題、世界で起きる貧困のカラクリ、紛争で暴利をむさぼる企業、革命を叫び暴走し、日本を揺さぶるテロリズム、それに対峙する警察と公安のメンツなどなどジワジワとひき込まれてしまった。
現代社会の闇を投影したこの小説。ほんと読み応えがある1冊だった。
cf. 中村文則 読破 List
- 教団X (2014)
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