「En duva satt på en gren och funderade på tillvaron/A PIGEON SAT ON A BRANCH REFLECTING ON EXISTENCE/さよなら、人類」を観た
スウェーデンの奇才Roy Andersson監督の不条理コメディ「En duva satt på en gren och funderade på tillvaron/A PIGEON SAT ON A BRANCH REFLECTING ON EXISTENCE/さよなら、人類」(2014/Cinema)ついて。
こんなあらすじ。吸血鬼の牙や笑い袋など面白グッズを売り歩く2人組の中年セールスマンのコンビ、Sam(Nils Westblom)とJonathan(Holger Andersson)。2人が懸命に売り文句を並べても商品はなかなか売れず、雇い主からの給料も滞りがちだった。ワインを開けようとして心臓発作を起こしてしまった夫と異変に気付かない妻、天国まで持っていくと宝石入りのバッグを手放さない亡くなる直前の老女、レッスンを受けに来た若い男性に熱を上げ、ダンス指導の合間に体を触まくるフラメンコ教室の孤独な中年女性教師...そんな人々の人生模様を目の当たりにする。
これ、2人組のセールスマンがどうやってもうまくいかない人々の悲喜こもごもな人生を目撃するさまをシュールにブラックに描いた不条理コメディ。固定カメラで撮られた構図はまったく不動で、そこに死人のような白塗りの人々や馬が出入りし、そのタイミングも動きもコントロールされている。グリーンを基調とした同系色の配色で、絵的にはマットで、そこに市井の人々の日常が描かれているんだけど、これがあまりにシュール。どのシーンも静かに進行しているが、そこで起きてる異常事態にジワジワと気づくというもの。CGは使われず、尋常ではないこだわった絵作りの上で、緩慢だけど、どこかひっかかり、ニヤリとできる映画。無意味のようで意味があったりして、理屈ではなくダラりとながめる映画でした。
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