「ラヴレター/岩井俊二」を読んだ
世田谷中央図書館を徘徊中なんとなく読みたくなって借りた岩井俊二の「ラヴレター」(角川文庫)について。
こんなあらすじ。雪山で死んだフィアンセ"藤井樹"の三回忌、婚約者だった渡辺博子は彼の住所が書かれた中学の卒業アルバムを見て、彼が住んでいた小樽に手紙を出した。彼が住んでいた場所は国道建築のため家がつぶされ、手紙は届かないことはわかっていた。しかしその手紙は同姓同名の女性"藤井樹"宛に届いてしまった。そこから2人の間で手紙のやり取りが始まった...。
これ、亡くなった彼の同姓同名の女性との手紙のやり取りを通した奇跡を描いたファンタジー小説。一目ぼれで選ばれた自分だけど、それに理由がある。死んでも忘れられず、彼の初恋の女性に嫉妬する。残酷かもしれないけど、そんな素朴な恋愛模様が透明感ある文体で書かれていた。
この小説の映画「Love Letter」(1995)を観ることはないと思うけど、残酷で爽やかな1冊だった。
cf. 岩井俊二 読破 List
- ラヴレター (1995)
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