「忍びの国/和田竜」を読んだ
「村上海賊の娘」以来ひさびさの和田竜さん。三茶Tsutayaで買って読んでみた「忍びの国」(新潮文庫)について。
こんなあらすじ。戦国時代、1578年と1581年の"天正伊賀の乱"が舞台。伊賀一の忍びと呼ばれている"無門"は、無類の怠け者で、伊勢と侍の戦いには興味はなく、女房の"お国"に稼ぎの少なさを責められる毎日だった。そんな中、伊賀攻略を狙っていた織田信長の次男"信雄"(のぶかつ)と"百地三太夫率"いる伊賀忍び軍団の壮絶な戦の火蓋が切って落とされた...。
これ、卑怯と言われることが褒め言葉という伊賀忍者の物語。金のために動く伊賀忍者が、狡猾な策を練って思い通りに相手を行動させる忍術が面白いし、それが武士と戦う中で、世の倫理観や価値観がまったく異なることが面白い。で、この小説の良さは出てくる人物たちのキャラ。伊賀一の忍び"無門"、伊賀者の人情に絶望し信雄に伊賀攻めを進言した"下山平兵衛"、土遁の名手"木猿"に、のちの石川五右衛門となる"文吾"といった伊賀方に、弓の名手で偉丈夫の"日置大膳"、かつて伊賀の忍びだった"柘植三郎左衛門"といった織田方。彼らが精神的にも肉体的にも戦うくだりがたまらなかった。
来年2017年の夏に映画化されるとのことだけど、ちょっと観たくなった。
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