「向田理髪店/奥田英朗」を読んだ
ずーとに読んでる奥田英朗。今回は世田谷中央図書館で借りた「向田理髪店」(光文社)について。
こんなあらすじ。北海道の寂れてしまった炭鉱の町・苫沢町。退屈な苫沢町の人々は今日も理髪店で都会から帰ってきた息子の心配したり、幼馴染の老父が倒れたりと通りにひと気はないけれど案外にぎやか...。
札幌で就職した息子がわずか1年で帰郷し、理髪店を継ぐと言い出した(「向田理髪店」)。幼馴染の老父が突然倒れて、残された奥さんは大丈夫か?(「祭りのあと」)、異国の花嫁がやって来て、町民は大歓迎だけどなぜか新郎はお披露目を避け続ける(「中国からの花嫁」)、町に久々のスナック新規開店、妖艶なママにオヤジ連中はそわそわ(「小さなスナック」)、映画のロケ地になり全町民大興奮だったけどだんだん町の雰囲気が悪くなる(「赤い雪」)、地元出身の若者が全国指名手配犯!!まさかあのいい子が...(「逃亡者」)。そんな6つの話で構成された過疎の町の話がこれ。どの話も誰かを悪者扱いすることはなく、ちょっと間違えば他人を傷つけてしまうような内容をコミカルに描いていてどこかほっこりできる。
自分の実家もここまでではないものの、ちょっと路地に入ると空地はあるし、取り残された感じがある。それでも悲観的にならずにみんな生活している。田舎もいいかなって思った1冊だった。
cf. 奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- イン・ザ・プール (2002)
- 延長戦に入りました (2002)
- マドンナ (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 用もないのに (2009)
- 無理 (2009)
- 聖なる夜に君は/奥田英朗・角田光代・大崎善生・島本理生・盛田隆二・蓮見圭一 (2009)
- 純平、考え直せ (2011)
- 我が家の問題 (2011)
- あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 噂の女 (2012)
- 沈黙の町で (2013)
- 田舎でロックンロール (2014)
- ナオミとカナコ (2014)
- 我が家のヒミツ (2015)
- 向田理髪店 (2016)
- ヴァラエティ (2016)
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