「Good old boys/本多孝好」を読んだ
ずーっと読んでる本多孝好。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみた「Good old boys」(新潮社)について。
こんなあらすじ。市内屈指の弱さを誇る少年サッカーチーム"牧原スワンズ"。その中でも4年生のチームは突出して弱く、公式戦では1勝はおろか、試合でまだ1点も取れていない。穏やかな監督の元で、勝てなくても子供達は楽しそうにボールを蹴っているが、その一方でチームメンバーの父親達は、それぞれに悩みを抱えていた。ふとしたことで妻とすれ違い続ける夫、子供ができたためにサッカー選手になる夢を諦めた男、優秀だった息子がある日突然引きこもってしまった父親、異文化に戸惑うブラジル人の父親...皆いろいろなものを背負い、迷い悩みながらも子供達のために今日もグラウンドに足を運ぶのだった。やがてチームは今年最後の公式戦となる市大会に挑む...。
これ、弱小少年サッカーチームで楽しそうにボールを蹴る子供達の一方で、それぞれに悩みを抱えている父親達を描いた家族小説。8組の家族の心のふれあいと成長が連作短編で描かれていた。どの話も父親を物語の主人公としていて、普通の家族の日常が丁寧に描かれ、悩みを抱える父親が優しい目線で子供達と触れ合うのがいい。そしてサッカーで勝ちを目指すんではなく、好きだからサッカーをやるというのがよかった。
まさに「Good old boys」というタイトル通りの父親達の子育ての話だった。
cf. 本多孝好 読破 List
- MISSING (1999)
- ALONE TOGETHER (2000)
- MOMENT (2002)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- Fine Days (2006)
- 真夜中の五分前-five minutes to tomorrow side-A- (2007)
- 真夜中の五分前-five minutes to tomorrow side-B- (2007)
- 正義のミカタ I'm a loser (2007)
- チェーン・ポイズン (2008)
- WILL (2009)
- at Home (2010)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-1 (2012)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2 (2012)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-3 (2013)
- MEMORY (2013)
- 魔術師の視線 (2014)
- 君の隣に (2015)
- Good old boys (2016)
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