「天才/石原慎太郎」を読んだ
2016年のベストセラーとのことでちょっと読んでみたいと思っていた石原慎太郎の「天才」(幻冬舎)。やっと世田谷中央図書館で借りれた。
これ、幼少期に受けたコンプレックス、政界入りしたきっかけ、福田赳夫と繰り広げられた政争という角福戦争の内幕、ロッキード事件の真相、田中派分裂の舞台裏、愛人やその子供や家族との軋轢といった戦後日本の基盤を作りあげた男"田中角栄"の生涯を描いた1冊。
一人称で語られる小説ということで、まるで角栄が回想しながらしゃべってるかのように話が進む。そのため角栄の言葉づかいや息づかい含めリアルに伝わってきて、さすが作家"石原慎太郎"の力量という感じ。その分歴史的な考察や解説がないため歴史に対する自分の理解が乏しいと、角栄の濃い人生が薄っぺらく感じる場面もあった。それでもロッキード収賄にまつわるくだりや、竹下登による田中派分裂のくだりはテンション高いし、あの当時ニュースで観ていた裏側がよくわかった。あの田中元首相の秘書"榎本敏夫"の前妻の"三恵子夫人"による「ハチの一刺し」に対する角栄の怒り、竹下登への諦めに似た角栄の境地はほんと凄まじかったと思う。
それにしても現代史ってちゃんと勉強すると面白いかもしれない。
♪教科書は現代史をやる前に時間切れ そこが一番知りたいのに なんでそうなっちゃうの?~♪ (from "ピースとハイライト"/サザンオールスターズ)
cf. 石原慎太郎 読破 List
- 天才 (2016)
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