「微笑む人/貫井徳郎」を読んだ
ほとんど読んだことがない貫井徳郎。三茶Tsutayaでの平積みを観て読んでみようと思った「微笑む人」(実業之日本社文庫)について。
こんなあらすじ。エリート銀行員の"仁藤俊実"が「本が増えて家が手狭になった」という理由で妻子を殺害した。小説家の"私"は、この事件をノンフィクション小説とすべく、仁藤俊実周辺の人々への取材を始めた。誰に聞いても「いい人」と評される仁藤だったが、彼の過去に遡るとその周辺で不審な死を遂げている人物が他にもいることが判明していく...。
これ、「理解できない犯罪が一番怖い」ということで、普通ありえない動機から安易に殺人という手段を選ぶ人間を過去まで掘っていく話。犯人のある名前への執着、問題解決としての殺人と話が進んでいくが、結局はミステリーの体を取りながら、人は自分の都合の良いように物事を解釈するということを描いていた。ただ個人的にはこの小説は完全アウト。結末がはっきりしないオチは正直つらかった。好みじゃない1冊だった。
cf. 貫井徳郎 読破 List
- 痛み/貫井徳郎・福田和代・誉田哲也 (2012)
- 微笑む人 (2012)
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