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Friday, March 10, 2017

「硝子の太陽R-ルージュ/誉田哲也」を読んだ

Tetsuyahonda_grassnotaiyor 先日読んでみた誉田哲也の「硝子の太陽N-ノワール」。同時に刊行された「硝子の太陽R-ルージュ」(光文社)も世田谷中央図書館で借りて読んでみた。
 こんなあらすじ。捜査一課殺人班十一係姫川班では、"姫川玲子"を高く評価する"林"が統括主任として見守る中、警部補に昇任した"菊田"が同じ班に入ってきて、新班員達とも少しずつ打ち解けてきた。そんな中、姫川班は地下アイドルの繭子、大学生の高志、母親の桃子が惨殺された祖師谷一家惨殺事件を担当する。3人の家族はリビングに並べられ、股間近くを発砲された死体で発見された。謎の多い凄惨な事件を前に捜査は難航する...。
 これ、新宿を舞台に「"ジウ"サーガ」と"ストロベリーナイト"で始まった「姫川玲子シリーズ」がコラボした作品。反米軍基地デモが全国で激化する中で起きたフリーライター殺害事件が同時に起き、過去の昭島一家惨殺事件との関連性が浮上してくる。そのきっかけを作ったのがガンテツこと勝俣で、勝俣が仕掛けたトラップに姫川が突進していくストーリー展開がたまらない。途中「"ジウ"サーガ」の"歌舞伎町セブン"の陣内や東警部補との駆け引きが絡んでさらに引き込まれていくし、気分が悪くなるほどグロいシーンもあるけれどページをめくる手が止まらなかった。
 「硝子の太陽N-ノワール」とこの「硝子の太陽R-ルージュ」で互いの話と謎を補完し合うように物語が構成されていて、両方を読み終えてやっと事件の全貌を知ることができた。しかし自分を信頼してくれる人を亡くして姫川はどうに立ち直れるのかが気になるところ。これからも書き続けてほしいと素直に思う。

cf. 誉田哲也 読破 List
- 妖の華 (2003)
- アクセス (2004)
- 吉原暗黒譚 (2004)
- 春を嫌いになった理由 (2005)
- 疾風ガール (2005)
- ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
- ストロベリーナイト (2006)
- ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
- ジウIII 新世界秩序 (2006)
- 月光 (2006)
- ソウルケイジ (2007)
- 武士道シックスティーン (2007)
- 国境事変 (2007)
- シンメトリー (2008)
- 武士道セブンティーン (2008)
- ヒトリシズカ (2008)
- ガール・ミーツ・ガール (2009)
- 武士道エイティーン (2009)
- ハング (2009)
- インビジブルレイン (2009)
- 主よ、永遠の休息を (2010)
- 世界でいちばん長い写真 (2010)
- 歌舞伎町セブン (2010)
- 感染遊戯 (2011)
- レイジ (2011)
- ドルチェ (2011)
- あなたの本 (2012)
- 誉田哲也 All Works/誉田哲也(監修) (2012)
- 痛み/貫井徳郎・福田和代・誉田哲也 (2012)
- あなたが愛した記憶 (2012)
- 幸せの条件 (2012)
- ブルーマーダー (2012)
- ドンナ ビアンカ (2013)
- 増山超能力師事務所 (2013)
- Qrosの女 (2013)
- ケモノの城 (2014)
- 黒い羽 (2014)
- 歌舞伎町ダムド (2014)
- インデックス (2014)
- 武士道ジェネレーション (2015)
- プラージュ (2015)
- 硝子の太陽N-ノワール (2016)
- 硝子の太陽R-ルージュ (2016)

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