「風が強く吹いている/三浦しをん」を読んだ
「光」に続き読んでみて、もっと読みたくなった三浦しをん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「風が強く吹いている」(新潮文庫)について。
こんなあらすじ。寛政大学1年の蔵原走は万引きをし逃走中に、追いかけてきた寛政大学4年の清瀬灰二につかまってしまう。成り行きで清瀬が住むボロアパート"竹青荘(通称アオタケ)"に住むことになった走は、これで10人メンバーが揃ったという灰二にそそのかされ、箱根駅伝を目指すことになる。だがアオタケに住んでいる住人は、運動音痴のマンガオタク、25歳のヘビースモーカーなどとても走れるとは思えないものばかりだった...。
これ、「箱根駅伝を走りたい」という灰二の想いが天才ランナー走と出会って動き出す疾走青春小説。10人の個性あふれるメンバーが箱根駅伝出場を目指し、自分の限界に挑戦し、ゴールを目指してタスキを繋ぎ、仲間とつながり、走ることに夢中で突き進んでいくというもの。灰二も走もかつて徹底的な管理にされた陸上部の世界に嫌気がさしていたが、灰二は自主性を重んじることで、純粋に走ることを求めていく。その中で、リーダーある灰二はメンバー10人一人一人の性格と適性を見極め、的確な判断を下していく。この流れが最高にいい。
しっかし箱根駅伝でそれぞれの区間で走るメンバー10人について、それぞれの今まで生きた人生をじっくり描かれている。最後のゴールシーンはちょうど朝の通勤山手線で読んでいて、涙が止まらなくなった。
三浦しをんと言えば、まほろ駅前シリーズ。これもいつか読んでみたい。
cf. 三浦しをん 読破 List
- 風が強く吹いている (2006)
- 光 (2008)
- 舟を編む (2011)
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