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Wednesday, July 12, 2017

「幻庵/百田尚樹」を読んだ

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 たまに読みたくなる百田尚樹の小説。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「幻庵」</>(文藝春秋)について。
 こんなあらすじ。「古今無双の最強の名人になる」。江戸時代後期、そんな破天荒な夢を持ち、ひたすら囲碁に努力をかたむけ続ける少年がいた。その少年こそ文化文政から幕末にかけて当時の碁打ちたちを恐れさせた一代の風雲児"幻庵因碩"であった。少年に天賦の才を見出し、夢の実現を託す義父の"服部因淑"、少年とともに闘いながら成長していく"本因坊丈和"、そしてあらわれた多くのライバル達。彼らは碁界最高権威"名人碁所"の座をめぐって、盤上で時には盤外で権謀術数を駆使しながら、命懸けの激しい勝負を繰り広げた...。
 幕末前夜、幻庵因碩と本因坊丈和らライバル達が碁界最高権威である名人碁所の座を巡り激闘を繰り広げる姿を描いた青春歴史小説がこれ。上下巻で文量は800ページを超える大作で、特に前半は囲碁についての専門的な記述が多く、さっぱりわからず正直難しかった。それでも後半は"名人碁所"の座をめぐっての死闘や弟子に託す己の夢、当時完治できない結核との戦い、お互いがむき出しに伝えあう思惑と嫉妬などどんどん引き込まれていった。
 盤上に現れる棋士の気迫と戦いの中で散っていった天才達の命の儚さが伝わってきた小説だった。

cf. 百田尚樹 読破 List
- 永遠の0(ゼロ) (2006)
- ボックス! (2008)
- 風の中のマリア (2009)
- モンスター (2010)
- 影法師 (2010)
- 輝く夜 (2010)
- 幸福な生活 (2011)
- プリズム (2011)
- 海賊とよばれた男 (2012)
- 「黄金のバンタム」を破った男 (2012)
- 夢を売る男 (2013)
- フォルトゥナの瞳 (2014)
- 殉愛 (2014)
- カエルの楽園 (2016)
- 幻庵 (2016)

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