「政と源/三浦しをん」を読んだ
ちょいちょい読み出した三浦しをん。桜新町TSUTAYAで買って読んでみた「政と源」(集英社オレンジ文庫)について。
こんなあらすじ。東京都墨田区Y町が舞台。つまみ簪職人・源二郎の弟子で元ヤンの徹平の様子がおかしい。どうやら昔の不良仲間にゆすられているらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが...。
これ、水路のある下町を舞台に、当年とって73歳の2人のじいさんが老人パワーを炸裂させ、まわりを巻き込んでいくメチャメチャで痛快だけどどっか人情にあふれる物語。弟子の徹平とにぎやかに暮らす職人"源"と、妻子と別居しひとり寂しく暮らす元銀行マン"政"は、性格も生き方も正反対でソリが合わないはずなのに、なぜか良い幼なじみの腐れ縁コンビ。この2人のじいさんなんだけど、最初はちゃらんぽらんだと思ってたいた源が男気ある男で、弟子を含めて周りの人々に、不器用だけど優しい。で、しっかりものと思われた政のほうは、仕事にかまけて家庭や子供や介護を奥さんに任せて愛想をつかされるという、女々しくてほんとダメ男だった。このギャップが面白かった。
性格も生き方がまったく違っても、いくつになっても、友人って大切な存在だなって思った話。
cf. 三浦しをん 読破 List
- 風が強く吹いている (2006)
- 光 (2008)
- 舟を編む (2011)
- 政と源 (2013)
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