「理由/宮部みゆき」を読んだ
たまーーに読んでる宮部みゆき。なんかこってりしたミステリーを読みたくなり、世田谷中央図書館で借りて読んでみた「理由」(新潮文庫)について。
こんなあらすじ。東京荒川区の超高層マンション"ヴァンダール千住北ニューシティ"で、4人の死体が発見された。1人は転落死で、3人は中年男女と老女で何者かに殺害されたようだった。当初4人は家族だと思われていたが、捜査が進むうち他人同士だったことが明らかになった。彼らはなぜ家族として暮らしていたのか...。
これ、超高層マンションで起きた殺人事件を、報道番組の取材という形で数十人もの人物を登場させ、それぞれ登場人物の視点で謎を解いていくというドキュメンタリー的手法で描かれた社会派ミステリー。今回の視点は、警察サイドではなく、目撃者、容疑者、被害者をベースに彼らの家族や関係者サイドから1つの事件を多角的にとらえ、これでもかと丁寧に掘り下げていく。その結果、人間関係から最後は「家族とは何か」というテーマに行き着いていくんだけど、家族から離れることと家族に依存しすぎることの危うさが浮き彫りにされていく。
ともかくしつこい小説だった。
cf. 宮部みゆき 読破 List
- 龍は眠る (1991)
- 今夜は眠れない (1992)
- 地下街の雨 (1994)
- 人質カノン (1996)
- 理由 (1998)
- 模倣犯 (2001)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 荒神 (2014)
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