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Tuesday, September 12, 2017

「三月は深き紅の淵を/恩田陸」を読んだ

Rikuonda_3gatsuhafukakikurenaino 最近ご無沙汰の恩田陸。三茶Tsutayaで買ってひさびさに読んでみた「三月は深き紅の淵を」(講談社文庫)について。
 こんなあらすじ。若手会社員の"鮫島巧一"は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。巧一を待ち受けていた本好きの好事家達から、その屋敷内にあるはずだが10年以上探しても見つからない稀覯本「三月は深き紅の淵を」の話を聞かされる。この本は作者名がわからず、世の中に数冊しかかく、たった1人にたった1晩だけ貸すことが許されていた...。
 この「三月は深き紅の淵を」は、"第一章 待っている人々"、"第二章 出雲夜想曲"、"第三章 虹と雲と鳥"、"第四章 回転木馬"の4つの章から成っているけど、各章は相互には関連がなく、稀覯本「三月は深き紅の淵を」をめぐるミステリ、稀覯本「三月は深き紅の淵を」の作者を探しに出雲に向かう紀行小説、転落事故で亡くなった異母姉妹をめぐる学園小説、稀覯本「三月は深き紅の淵を」の構想についての小説とジャンルも形式もバラバラになっている。しっかしこの"第四章 回転木馬"はほんと複雑で、ブラックファンタジーと小説作りが交互に語られるので、ほんとよくわからなかった。
 それにしてもひさしぶりだった恩田陸。今回読んだ「三月は深き紅の淵を」を初め、ホラー要素もあるブラックがファンタジー小説の第1人者だと思う。ただ、自分は「夜のピクニック」で彼女の作品と出会っているので、やっぱり爽やかなファンタジーを期待してしまう。またいつか。

cf. 恩田陸 読破 List
- 六番目の小夜子 (1992)
- 三月は深き紅の淵を (1997)
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- 蛇行する川のほとり (2004)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
- エンド・ゲーム 常野物語 (2006)
- 朝日のようにさわやかに (2007)
- 木漏れ日に泳ぐ魚 (2007)
- きのうの世界 (2008)
- 私の家では何も起こらない (2010)
- 私と踊って (2012)

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