「不時着する流星たち/小川洋子」を読んだ
たまーに読んでいる小川洋子。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみた「不時着する流星たち」(KADOKAWA)について。
これ、この世にあった人物や物事をモチーフにした10からなる短編集。たとえばこんなあらすじ。盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった...(「測量」)。
・第一話 誘拐の女王
・第二話 散歩同盟会長への手紙
・第三話 カタツムリの結婚式
・第四話 臨時実験補助員
・第五話 測量
・第六話 手違い
・第七話 肉詰めピーマンとマットレス
・第八話 若草クラブ
・第九話 さあ、いい子だ、おいで
・第十話 十三人きょうだい
グレン・グールドにインスパイアされた短篇を初め、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザーなどかつてこの世にあった人や事に端を発し、インスパイアされ、その記憶や痕跡をモチーフにしている。自分的には牧野富太郎からインスパイアされた「十三人きょうだい」とか、文鳥に対する残酷な仕打ちがひど過ぎる「さあ、いい子だ、おいで」などがひっかかってけど、小川洋子さんの寓話でファンタジーな世界観ってあんまり合わない感じ。うーん、やっぱり人生には合う合わない取捨選択は大事だな。
cf. 小川洋子 読破 List
- 薬指の標本 (1994)
- ブラフマンの埋葬 (2004)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
- 不時着する流星たち (2017)
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