「祈りの幕が下りる時/東野圭吾」を読んだ
ひさびさに読んでみた東野圭吾作品。"加賀恭一郎シリーズ"の中から「祈りの幕が下りる時」(講談社文庫)を世田谷中央図書館で借りて読んでみた。
こんなあらすじ。小菅のアパートで滋賀県在住の40代女性"押谷道子"の腐乱遺体が発見された。アパートの住人は"越川睦夫"と名乗る男性で、現在消息を絶っていた。捜査一課の"松宮"は、殺害時期や現場が近い新小岩の河川敷で発生したホームレス焼死事件との関連性を感じながらも、道子の住む滋賀県での捜査で、道子の同級生で演出家の"浅居博美"を訪ねに上京したことを突き止める。しかも博美は松宮の従兄で日本橋署の刑事"加賀恭一郎"の知り合いだった...。
この「祈りの幕が下りる時」では、この事件が孤独死した加賀の母に繋がっていたことが一番のカタルシス。今までの"加賀恭一郎シリーズ"の「赤い指」(2006)で触れられていた母親の失踪理由がこの「祈りの幕が下りる時」で明らかにされ、「麒麟の翼」(2011)に出てきた加賀が配属先管轄である日本橋に積極的にさらに溶け込もうとしていることがさらに描かれている。加えて東日本大震災が描かれ、原発作業員の劣悪な労働環境に対する問題提起も行っていた。ほんと絡み合う様々な人生をうまくまとめていて、イッキに読むことができた。
ちなみに2018年に映画化も予定されているとのこと。さすがです。
cf. 東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- 回廊亭殺人事件 (1991)
- 美しき凶器 (1992)
- 分身 (1993)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 悪意 (1996)
- 秘密 (1998)
- 白夜行 (1999)
- 予知夢 (2000)
- 嘘をもうひとつだけ (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- 幻夜 (2004)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
- 流星の絆 (2008)
- 聖女の救済 (2008)
- パラドックス13 (2009)
- カッコウの卵は誰のもの (2010)
- プラチナデータ (2010)
- 白銀ジャック (2010)
- 麒麟の翼 (2011)
- 真夏の方程式 (2011)
- マスカレード・ホテル (2011)
- 虚像の道化師 ガリレオ7 (2012)
- ナミヤ雑貨店の奇蹟 (2012)
- 夢幻花 (2013)
- 疾風ロンド (2013)
- 祈りの幕が下りる時 (2013)
- 虚ろな十字架 (2014)
- マスカレード・イブ (2014)
- 禁断の魔術 (2015)
- 天空の蜂 新装版 (2015)
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