「星がひとつほしいとの祈り/原田マハ」を読んだ
ほんと読みまくってる原田マハ。三茶Tsutayaで買って読んでみた「星がひとつほしいとの祈り」(実業之日本社文庫)について。
女性が主人公の7つの短編集。人生の節目とか何かを決断をするときとかどんなときでも希望があると教えてくれる話ばかり。それぞれこんなあらすじ。
・「椿姫」:
不倫相手の子供を宿した20代前半の新人デザイナーが中絶も考え訪れた産院で、妊娠した高校生に出会う...。
・「夜明けまで」:
有名女優の母"あかり"が亡くなった。そんな母親が疎ましくて大学を出てセネガルのNGOで働いていた"ひかる"は、亡くなる直前に母が残したDVDに残された「遺骨をひとかけら持って大分の夜明まで行って欲しい」という遺言に従って、夜明に向かった...。
・「星がひとつほしいとの祈り」:
35歳の売れっ子コピーライターの"文香"は、四国・道後温泉でマッサージを頼んだ盲目の老女から彼女の過去について話を聞く。老女から聞く話は、生粋の令嬢だった彼女の悲恋、彼女に献身的に仕えた女中、そして日本を襲ったあの戦争のこと...。
・「寄り道」:
アラフォーの独身、いつも旅する時は晴れるハグとナガラは、青森のねぶたと秋田の竿灯を見に男鹿半島へ来ていた。そして白神山地行きのツアーに参加したところ、黒いミニスカスーツとハイヒール姿の若い女性がいた...。
・「斉唱」:
シングルマザーの40代女性"梓"は、心を開かない中学生のひとり娘の"由衣"と共に自由学習のため佐渡に渡り、トキの生態を見学に行くことになった...。
・「長良川」:
50代で夫を癌で亡くした"堯子"はその1年後、娘とその婚約者と共に長良川の鵜飼い見に来た。そこはかつて夫と最後の旅をした場所でもあった...。
・「沈下橋」:
高知・四万十川そばの食堂で働く59歳の"多恵"は、歌手である"阿藤由愛"が大麻の罪で逃亡中というテレビニュースに接する。多恵はかつて由愛の継母だった...。
大分、愛媛、秋田、佐渡島、岐阜、高知といろんな場所が舞台になっていて、その土地土地の情景描写がよかったし、そこで話される方言がなんかリアルで、引き込まれてしまった。個人的に一番よかったのは、「長良川」でこの後、堯子がどうするかが気になった。ちなみに、「寄り道」は、先日読んだ「あなたは、誰かの大切な人」に収録されてる「波打ち際のふたり A Day on the Spring Beach」のハグとナガラが登場している。これもいい短編集だった。
cf. 原田マハ 読破 List
- カフーを待ちわびて (2006)
- ランウェイ☆ビート (2008)
- さいはての彼女 (2008)
- キネマの神様 (2008)
- 花々 (2009)
- 本日は、お日柄もよく (2010)
- 星がひとつほしいとの祈り (2010)
- 永遠をさがしに (2011)
- 楽園のカンヴァス (2012)
- 生きるぼくら (2012)
- いつも一緒に -犬と作家のものがたり-/新潮文庫編集部(編)・檀ふみ・小路幸也・遠藤周作・角野栄子・伊丹十三・鷺沢萠・伊集院静・江國香織・幸田文・久世光彦・小川洋子・佐藤愛子・糸井重里・原田マハ・島尾敏雄・馳星周・小澤征良・山崎豊子・唯川恵 (2013)
- ジヴェルニーの食卓 (2013)
- 総理の夫 First Gentleman (2013)
- 翔ぶ少女 (2014)
- 太陽の棘 (2014)
- あなたは、誰かの大切な人 (2014)
- 暗幕のゲルニカ (2016)
- デトロイト美術館の奇跡 DIA:A Portrail of Life (2016)
- リーチ先生 (2016)
- 恋愛仮免中/奥田英朗・窪美澄・荻原浩・原田マハ・中江有里 (2017)
- アノニム (2017)
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