「一人っ子同盟/重松清」を読んだ
ひさびさに読んでみた重松清。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「一人っ子同盟」(新潮文庫)について。
こんなあらすじ。ノブとハム子は同じ団地に住む小学六年生。ともに"一人っ子"だが、実はノブには幼いころ交通事故で亡くなった兄がいて、ハム子にも母の再婚で4歳の弟ができた。「困った時は助け合う」と密かな同盟を結んだ2人は、年下4年生の転校生"オサム"に出会う。お調子者で嘘つきのオサムにもまた複雑な事情があった...。
あの頃昭和40年代の団地を舞台に、物心つく前に兄を亡くしてたノブと親の再婚で弟ができたハム子と親戚の家を転々とするオサムという3人の一人っ子達の物語。自分の思い通りになることはほとんどなくて、大人の事情に振り回される中、自分でも忘れていたような様々な感情を思い出させてくれる。しっかし夕立が来る前のアスファルト道路のにおいとか、先輩から脈々と引き継がれる子供達だけのルールとか、駄菓子屋でのクジとか、クーラーなんてない夏の日とか、団地の中の公園で見た夕日とか、そんな子供の情景がほんと浮かんできた。
しっかし、ノブのお父さんが言った「お金で解決できない悩み事は、メシと風呂と布団があれば意外と何とかなるもんだ」って言葉は今だからわかる言葉だと思った。たまにはあの頃のことを思い出すのもいいもんです。
cf. 重松清 読破 List
- 舞姫通信 (1995)
- 見張り塔からずっと (1995)
- ナイフ (1997)
- 定年ゴジラ (1998)
- エイジ (1999)
- カカシの夏休み (2000)
- ビタミンF (2000)
- リビング (2000)
- 口笛吹いて (2001)
- 流星ワゴン (2002)
- きよしこ (2002)
- 熱球 (2002)
- 疾走 (2003)
- 送り火 (2003)
- 卒業 (2004)
- いとしのヒナゴン (2004)
- みんなのなやみ (2004)
- その日のまえに (2005)
- きみの友だち (2005)
- 小学五年生 (2007)
- カシオペアの丘で (2007)
- くちぶえ番長 (2007)
- 青い鳥 (2007)
- ブルーベリー (2008)
- せんせい。 (2008)
- みぞれ (2008)
- とんび (2008)
- 季節風 冬 (2008)
- ステップ (2009)
- あの歌がきこえる (2009)
- 再会 (2009)
- 十字架 (2009)
- ポニーテール (2011)
- ロング・ロング・アゴー <「再会」改題> (2012)
- きみの町で/重松清・ミロコマチコ (2013)
- 星のかけら (2013)
- みんなのうた (2013)
- 一人っ子同盟 (2014)
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