「トップリーグ/相場英雄」を読んだ
たまに読んでる相場英雄。ひさびさに世田谷中央図書館で借りて読んでみた「トップリーグ」(角川春樹事務所)について。
こんなあらすじ。総理大臣や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者を指す"トップリーグ"。大和新聞の松岡直樹は、入社15年目にして政治部へ異動となり、官房長官番となったが、官房長官に気に入られまたたく間にトップリーグ入りを果たす。一方、松岡と同期入社だった酒井祐治は、現在大手出版社で週刊誌のエース記者として活躍していた。そんな酒井が「都内の埋立地で発見された1億5千万円」の真相を追ううちに、昭和史に残る一大疑獄事件が浮かび上ってきた...。
これ、昭和史に残る疑獄事件であるロッキード事件の真相からつながる現在の官邸最大タブーを追いかける2人の記者の物語。ライバル関係にあった2人の記者の友情も描かれてるけど、この小説の凄まじさは裏側に透けて見える70年代の政治が非常にリアルであること。スリリングな展開と圧倒的なリアリティで描かれ、現実の政治とシンクロしていている。登場人物の芦原総理は安倍晋三を、阪官房長官は菅義偉を彷彿とさせ、特に寡黙で余計なことを話さない菅義偉がほんと浮かんできた。
先日読んだ「グリコ・森永事件」を題材にした塩田武士の「罪の声」に続き、昭和事件モノがたまたま続いたけど、やっぱりその時代を知ってるだけに、とっても面白かった。
cf. 相場英雄 読破 List
- 震える牛 (2012)
- 共震 (2013)
- トラップ (2014)
- トップリーグ (2017)
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