「劇場/又吉直樹」を読んだ
芥川受賞作ということで読んでみた又吉直樹のデビュー小説「火花」に続き、読んでみた「劇場」(新潮社)について。
こんなあらすじ。中学生の頃演劇に目覚めた内向的な青年の永田は、演劇で身を立てるために東京にやってきた。そんな永田はひょんなことから女子大生の沙希と付き合い始める。2人は一緒に暮らし始めるが、永田はいつまでたっても売れない演劇の脚本を書き続け、沙希はそんな永田を支え続ける...。
これ、夢と現実のはざまでもがきながら、不器用に相手を想う恋愛小説。主人公の永田は限られた人間関係において、売れてる人達に激しい嫉妬を持ち、焦り、ちょっとしたことに猜疑心を持ち、感情的にキレ、何がしたいのか自分でわからず、やるべきことから逃げ、恋人とはあいまいなままで本質を先送りして、破たんさせていく。ほんと残酷に人間のしょーもなさを描いていた。
決してそんな主人公永田をよいとは思わないけど、永田の取った行動に理解できるところもある。「火花」もそうだったけど、表現することに人生をかけてるけど、うまくいかない人を書くのがほんとうまいと思った。
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