「クレムリンの迷宮/貴志祐介」を読んだ
たまに読みたくなる貴志祐介。Tsutaya馬事公苑で買って読んでみた「クレムリンの迷宮」(角川ホラー文庫)について。
こんなあらすじ。藤木芳彦は、ある日この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。うっすらと霞む視界に映ったのは、雨に濡れ、一面鮮やかな深紅色に染まった奇岩の連なりが覆っている。傍らに置かれた携帯用ゲーム機が「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された...」というメッセージを映し出す。それは血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった...。
これ、恐怖が心地よいSFホラーのサバイバルゲームモノ。スナッフピクチャーのための殺人ゲームが題材なんだけど、ノリとしてあの「バトル・ロワイヤル」のようにサバイバルに重点が置かれていて、湯水のように出てくるサバイバル知識が面白かった。さらにゲームブックとしてのベースがあるので、登場人物間での疑心暗鬼な腹の探り合いから、いかに有益なアイテムを探し出すという前半戦もよかったし、食屍鬼(グール)の登場あたりの中盤からガンガン引き込まれた。いい意味でのめりこめた小説だった。
cf. 貴志祐介 読破 List
- 十三番目の人格 ISOLA (1996)
- 黒い家 (1997)
- 天使の囀り (1998)
- クレムリンの迷宮 (1999)
- 新世界より (2008)
- 悪の教典 (2010)
- 鍵のかかった部屋 (2011)
- 雀蜂 (2013)
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